★ 盲愛

昨日に引き続きコルダをプレイ中。
最近メモ帳に書いてる卜部ルルが進みません。
って言うか実はこれも明日までの分しか用意できてない・・・

止まったらすみません…

朝比奈と千葉が蓬莱島に戻ってきた時、騎士団の空気はなんだかよどんでいる気がした。
どこか濃い血の匂いが溢れている。

「木下・・・アレ、血の痕だろ」

「朝比奈さん・・・」

「何があったんだ？」

「朝比奈！」

急に後ろから怒鳴られたかと思えばゾワリと毛が逆立つような感覚。

「藤堂さんっ・・・」

「ゼロの命令だ。作戦に参加したものしか知らない」

「っでも」

「・・・朝比奈」

刃の切っ先を首に押し当てられるような感覚。
逆らってはいけない、と思わず後ずさった。

「・・・わかり、ました」

分かればいい、と踵を返す藤堂の後ろを数歩離れて朝比奈もついて歩く。


「藤堂、さん」

「なんだ・・・？」

「・・・いえ」


何が、どうしてこんな風に変わってしまったのだろう。
どうしてこの人はこんなに変わってしまったんだろう。

まさか本人を前に直接言えるはずもなく朝比奈は唇をかみしめた。

「（ゼロの、せいだ）」


＊＊＊＊＊


帰ったとき、ルルーシュは半狂乱になって叫んでいた。

「貴方の手を汚さなくてよかったのに」

「俺がやらなければならない事だったのに」

そう何度も繰り返し泣き続けるルルーシュをなだめながら、藤堂は歪んだ笑みを浮かべていた。
腕の中に閉じ込めて、あやし続ければいずれは泣きやみ落ち着く。
悲しみを植え付けるのも、悲しみをいやすのも己だけでいいのだ。

「ゼロ・・・俺は黒の騎士団の軍事を預かっている。」

「あ、れは・・違うんだ・・・俺が、俺の・・・」

「黒の騎士団は、君の作った組織だ・・・君は命令を下せばいい。他の誰がなんと言おうと、俺は君の命ずるままに動こう。」

「・・・っだって、饗団は・・・」

「　　ギ　ア　ス　　」

ビクリとルルーシュの体が震え硬直した。

「あの施設でコーネリアを見つけた。」

「ぁねうえ・・・？」

「ユーフェミアの死の理由を探っていたらしい。そして、その原因となった日本人虐殺の真相は君にあると・・・。」

どくどくと鼓動の音がうるさく響く。
体の震えが止まらなくなった。

「・・・なにに、怯えている？」

「ぁ・・・お、れは・・・」

無垢だった妹をけがした瞬間がよみがえってきた。
違うのだと、あれは自分の意志ではなかったのだと言って誰が信じようか。
いや、信じた所で許されるものではない。

「・・・安心しろ。もうその事を知る者はだれもいない」



「・・・・・・・・・・・・・・・ぇ？」



「そんなことを吹聴して回られては困るからな。日本人虐殺に何か君が関与していたなどと。それに、敵である皇族を殺したところで君が責められるいわれはない」


口の中が乾いて声を出すことが出来ない。

今の藤堂は知らないのだ、ルルーシュが皇族であると。

そして、藤堂が敵であるブリタニア皇族を殺したところで、ルルーシュには何も言えない。
何も言う資格はない。

「とうど、う・・・おれ、は」

「怯えなくていい。君の道を妨げるものは俺が斬り捨てよう。」

藤堂が恐ろしかった。
そして悲しかった。
優しかった人を壊してしまったのは自分だ。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい、御免なさいゴメンなさい、ゴメンナサイご免なさいごめんなさいゴメンナサイゴメンなさいごめんなさいゴメンナサイごめんナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」

「何を謝っているんだ？あぁ、日本人虐殺のことならばいい。俺は日本などどうでもいいのだからな」

「・・ぁ、・・・あぁ・・・っ」

「ああ、そうだ・・・そうだった・・・俺は日本などどうでもよかったんだ。君たちを殺した日本などは、な」

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★ 盲愛

ただいまコルダをプレイ中。
やっぱコルダ楽し～～ww
某魔王様が怖いけど楽し～～ぃ。

うん、某魔王様の外面の良さに最初騙された管理人です。

だってね、うん…長髪キャラとか結構好きなのよ　リアルでも髪長い子好きなんだもん、髪フェチだもん。
そして外面の良さに騙されて消えない傷を負わされた管理人です（笑）


ってかギアスの小説で何コルダを語ってるんだ私は！

C.C.がどんなに抑えつけても、もうルルーシュの手は止まらなかった。
爪の剥がれた傷跡から血がいくら流れ出ようとも顔をかきむしり、傷こそつかないがまるで涙の痕のように血が目元に頬にこびりつく。

仕方なく、夜中ではあったがカレンを呼び出し二人がかりで押さえつけた。

これでは休息などにはならないだろう。
むしろ夜中に暴れ傷が悪化することによって、余計に体力が奪われていく。

「・・・・・・こんなことで、明日の作戦が本当に」

「仕方ないだろう・・・止めて聞く奴じゃない。」

だからあの男に託そうとしたのに、あの男はあっさりとゼロの命令に従ってどこかへ行ってしまった。

ギアスで記憶を忘却させられたとはいえ消滅したわけではないのだ。
だから、心のどこかに・・・きっと何かを残していると思っていたのに・・・。

『ちょ、藤堂さん！！』

『どけ』

『せめて時間を考えて、ゼロだって眠ってますよ！！』

『眠っている？まさか』


この声は、確実に聞き覚えがあるが・・・。
まさかと思いながらC.C.はルルーシュに仮面をかぶせるとカレンに任せ、そっと扉を開いた。
と、同時にけ破るような勢いで藤堂が乗り込んでくる。

「彼はどこだ・・・」

「・・・」

ため息をつかずにはいられなかった。

「お前なぁ」

「何処だ」

クイッと寝室を指させば藤堂はわき目も振らずにそちらへ歩いて行った。
続いてカレンが叫ぶ声が短く聞こえて部屋から出てくる。

「ちょっ、なんで藤堂さん？！」

「知らん、あんな馬鹿どもは」

ひきつるようなルルーシュの悲鳴のあと、泣声が響いてくる。

「行くぞ、カレン・・・あいつらに付き合ってたらばからしくなってくる。」

「でも・・・っ」

「たとえあいつが暴れても藤堂なら抑えられるだろうし、そもそもあいつは藤堂さえいればいいんだ」

心底面倒くさげにC.C.は言い捨ててゼロの部屋を出る。
カレンも迷ったものの、結局部屋を出て行った。


＊＊＊＊＊


血まみれの顔をぬぐってやる。
もう一度包帯を巻きなおしてやって、指先に口づける。

呼吸は落ち着いて、ほとんど意識を失うようにして眠っていた。
抱きかかえてみれば、以前よりも細く感じる。


「　　　　　　・・・・・・」


相変わらず、彼の名前を思い出すことはできない。
唇は音にならない物を綴るだけだ。

しがみついてきたゼロを締め付けるようにして抱きしめると少しばかり苦しそうに呻くだけでどこか安心したように寝息を立てていた。

「と、　どう・・・」

「大丈夫だ・・・ここに居る」

そう、ここだけが・・・君の居場所だ。



自然と唇がつりあがる。
もう、ここ以外に彼が生ける場所はない。


彼を腕に抱えたまま、枕元にあった書類を手に取った。
其処に書いてあるのは次に実行されるのだろう作戦内容。

字面だけをみれば簡単に書いてあるが、内容としては相当なものだ。

中華連邦にあるブリタニアの研究施設の殲滅。
施設の完全破壊と研究員、実験対象の完全排除・・・。


「・・・これなら、俺でも構わないだろうな・・・」


決行の最終決定日時は明後日、帰ってきて正解だったらしい。

「もう、君は・・・ここから出る必要はない」



だから、もう啼かなくていいんだ。
そう囁くと、彼はうっすら笑みを浮かべた気がした。

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★ 盲愛

2月ももう終わりますね～。
明日は学校が終わったら速攻TUTAYAに行ってコルダｆを買おうと思いますｗ
今までで一番はまった恋愛ゲームはコルダかもしれない。

いつかバイオリンとか引いてるルルの話を書いてみたいです。

なぜってバイオリンを弾くルルを私が見たいからさ！
チェロでもいいですが。
チェロって言うと実は志水くんよりシンジのイメージの方が強かったりします。

画面の向こうでなければ、そこに座っている女を撃ち殺していただろう。
其処はお前の居場所じゃないと叫んで、きっと殺していた。

救出してから、彼女の感情が以前とはまた違う者に変化していることには気づいていた。
だが、自分がゼロ以上の何にもなれないのだから藤堂の周囲に口出しをする権利などないと思っていた。
だが、そんなものは建前でしかなくて、本性はもっと醜く、黒くドロドロとしている。

『ゼロ・・・どうかしたのか？』

藤堂の声にハッと我に返る。
そうだ、女を殺せばこの人が悲しむ。

「ロロのことをいえないな」

『そちらで何か』

「何もない。引き続きサウジの方は任せた」

それ以上見ていられず通信を切った。


「・・・ルルーシュ」

「なんだ」

「欲しいものは、欲しいと言わなければ」

「煩い」

睨みつける温度のない眼差しに一瞬ひるんだ。
ギアスが発動している時よりも一層冷やかで、暗く濁った色をしている。

「いいんだ・・・ただ見ているだけでも」

「自分を傷つけても、か？」

「ああ・・・」

今度は打って変わって、ふわりと慈愛にあふれた笑みを浮かべた。
ナナリーに向けられていたことでバランスを保っていたはずの心が、均衡を崩している。

C.C.の目にはその姿がマオと重なった。


マオもルルーシュも同じだ。一方の気持ちを無視して愛を押し付け、求める。
ギアスユーザーというのは、おそらく何かの欠落したたちの悪い人間しかいないだろう。

「バカだな・・・お前というやつは」

「ふん、そんな馬鹿を共犯者に選んだ自分を恨め」

「ああ、そうだな・・・」


　　そんなにも脆く、壊れゆく道を示すしかできない自分を恨むよ・・・。


＊＊＊＊＊


藤堂は通信が切れてもなお、黒い画面を見つめたままだった。
このところ、藤堂はこうしてよく意識を飛ばしていることがある。

「（ゼロのせいだ・・・っ）」

ゼロがいなければ今此処に藤堂はいない。
だが、ゼロさえいなければ・・・。

あんな怪しい男よりも、藤堂の方がよほど騎士団を率いていくにふさわしい人間だ。
だが、なぜか藤堂はゼロの存在を重んじていた。


藤堂がそんなだから、ほかの団員も民衆もゼロを重んじる。
（実際のところ、それは千葉の思い込みでしかないのだが）


不意に何かを考え込んでいた様子の藤堂が腰をあげ荷物をまとめ始めた

「中佐？」

「蓬莱島の方が気になる。あとの処理はお前たちに任せた。」

「中、中佐！ですが」

「できるだろう？」


動きを留めた藤堂にのばそうとしていた手を思わず止める。

「で、ですが・・・ゼロは、中佐に」

「ゼロには私から言う。」

文句はないな？と暗に言われている気がした。
文句ならある。

だが口にしようものなら、斬り捨てられる気がした。


文字通り新たに与えられた藤堂の刀で。



「・・・わかりました。お気をつけて」

「ああ・・・朝比奈にはお前から伝えておいてくれ。」


そして、藤堂もまた、千葉の顔など見もせずに与えられた部屋を後にした。

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★ 盲愛

タイトルをつけてみたものの、行き詰ってきました。
タイトルつけるの楽しいですけど考えるの大変ですよね～。
っていうか部屋の片づけしないと、引っ越しがあるから・・・

このパソコンいつまで使えるかなぁ

夜が来る


眠っている間に自分に何が起こっているのか。
いや、この指先や、血のこびりついていた仮面を見ればその理由を想像するのはたやすいことだった。

そして、そこから連想しうる原因も。



だがそこから目をそらす。



「女々しいな・・・」

８年前のことを藤堂が覚えていない以上、ルルーシュの独りよがりな思いでしかないのだ。
藤堂にとってのゼロは、正体不明の仮面の男、それ以上もそれ以下もない。


「兄さん・・・むこうで、なにか」

「何もないよ」


即答して切り捨てる。
偽りの物など、もう何もいらない・・・ほしくないのだ。


「ごめん、ロロ・・・。少し疲れてるんだ。」

「・・・うん、無理はしないで」


おやすみ、と言って出ていくロロを冷やかに見送る。
アレは・・・もういらない・・・。

疲れていても眠る気などなかった。
だから荷物をまとめる。


「咲世子」

「はい・・・」

フッと音もなく、咲世子がルルーシュの後ろに立った。


「たぶん、もう帰らない。」

「では・・・」

「お前はこれまで通り、ここで俺の代わりを。機を見てこちらへ来い。」

「かしこまりました、ロロ様は」

「・・・・・・任せる」


夜の闇が空を染めるように、闇が思考を染めた。


もう何かを考えることさえ億劫だ。


最低限の荷物だけを詰めた鞄をもって階段を下りる。



そして振り返りもせず、二度と戻ることのない箱庭を出て行った。



＊＊＊＊＊


「っあんた、こんな時間にどうしたのよ」

「学生をやめて、ゼロに専念しようと思っただけだ。向こうに咲世子を置いてきた。」

「置いてきたって・・・スザクやほかのラウンズは。」

「ロロはもともと機情で暗殺をしていた、咲世子も優秀なSPだ。俺が残るより彼女らにあとを任せた方が被害は少ない。」

肉体的ハンデを考えれば、それはもっともであるのだがこれまでのルルーシュとは何かが違うように思えてカレンは戸惑う。

「会長や・・・リヴァルやシャーリーは」

「もともとアッシュフォード家は隙あらば俺を帝国に売り渡すつもりだったんだ。記憶がない今、俺を守る必要はどこにもない。俺がいない方が学園も安全だろう。」

「そう言うことじゃなくて・・・」

「それに、学生時代の友人なんて通りすがりのようなものだ。一生を掛けて付き合っていくような友人なんて一生かけて１人いるかいないかそんなものじゃないか？」


足を止め、振り返ったルルーシュの瞳は黒くよどんでいるような気がした。

カレンが何も答えないのをいいことに、ルルーシュは軽く嘲笑を浮かべた。

「安心しろ、カレン。お前は通りすがりの友人じゃないさ」


そうして背を向けると今度こそ行ってしまった。




「・・・・・・通りすがりの、友人にさえなれないわけね・・・私は。」

ルルーシュを、友人などと思ったことは一度もなかったように思う。
けれど・・・それはとても寂しいことのように思えた。




「それなら・・・あんたにとって一生かけてでも必要な存在って、なんなのよ」


ナナリーの手も取れず、学園を捨てて、スザクと敵対して、騎士団の中で心を許し合えるような存在なんて聞いたこともない。
C.C.かもしれないが、それはまた違うように思える。

「あんたにとって、通りすがりじゃない人間って・・・誰なのかしらね。」

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★ 盲愛

うっかりと今日の更新を忘れるところでした。
いつも夜中にやってるからつい昨日やってるつもりになっちゃったよ。

最近妙な夢を大量に見てます。
幾つも人は夢を見ているけど大抵1個しか覚えてないって聞いたことありますが、
私は最近3つか4つくらい現実に連れ帰ってきてますww






　

「ルル！どうしちゃったの、その手！！」


「なんでもないんだ、これは・・・」


シャーリーに問われ、ルルーシュは手を後ろにまわした。

なんでもないということはないだろうと思ったがそれ以上問うのは憚られてシャーリーは「そう」と小さく呟くにとどめた。

リヴァルもミレイも、朝からちらちらとルルーシュの手を気にしているが当のルルーシュ本人は何もないとばかりにいつも通りだった。

「ロロ、ルルーシュの奴どうしたんだよ。昨日までは何ともなかったろ？」

「・・・すみません、僕にもよく」

今朝早くに帰ってきた時にはもう両手はすっかり包帯に覆われて真っ白だったのだから。
何があったのか聞いても「なんでもない」の一点張りなのだ。


今朝から同じ質問を何度も繰り返し聞かされているルルーシュもイライラしていた。

「（どうしたか、だと・・・そんなもの、俺が知りたい！）」

今朝目を覚ました時にはなぜか両腕とも肘まで包帯に覆われて、しかも自室ではなく藤堂の部屋で目を覚ましたのだから。

・・・藤堂に皇帝のギアスが掛けられていたことにこれほど安堵したのは初めてだっただろう。

藤堂は呼吸を確認するため、やむなく仮面を外したと言っていたが、もし８年前の記憶が残っていれば仮面の下の顔に何らかの反応を見せたはずだ。
仮面の下にあるのが、まだ年若いブリタニア人だということは決して口外しないと約束させ部屋を後にした。

ギアスは使いたくなかったし、使わずとも藤堂が誰かに言いふらすような人間ではないとわかっているからそれはいい。

それよりも問題は包帯に覆われた自分の手だ。

じくじくとした痛みがわずかにある。
寝ている間に藤堂が何かをしたとは思えない。

少しずれてきた包帯を直しながらルルーシュはうっとりと眼を細めた。

「（こんな時に、不器用な巻き方が愛おしいなんて思う俺は、どうかしているんだろうな）」


＊＊＊


目を覚ましたゼロは、昨夜にあったことを何も覚えていなかった。
ただ、仮面が外れていることに焦りは見せていたが、腕の傷や仮面についた血の跡の理由については何一つ分からないらしく、ただ素顔を口外しないという約束だけを取りつけて部屋を出て行った。

それは信用されているということなのか、はたまた歯牙にもかけていないということなのか。

どちらにしても、この手の中に落ちてくるのは時間の問題だろうと唇の端を釣り上げた。

「中佐、どうかなさいましたか？」

「・・・何がだ？」

「いま、笑っておられたようなので。何かいいことでも？」

「ああ・・・」

失ったものが、ようやくこの手に戻る。
これがどうして笑わずにいれようか。

名前などは後でも知れるだろう、腕の中にあるということが重要だ。


あぁ、以前は遠征にこんなにも憂鬱な気分を感じたことなど・・・





「（本当に、ないのか・・・？）」


記憶に引っ掛かりを感じた。
いつか・・・戦場に行くことに酷く焦燥感ともどかしさを感じた。

それがいつ、どこの戦場だったのかは分からないが、その時にひどく後悔した。
戦場へ赴いたことを。

戦うしか取り柄のない己だというのに、その闘う力が全く役に立たなかった。


そして、再び取り戻した。



記憶の至る所にある穴に今度は眉間にしわを寄せる。
おそらく欠落した部分にはゼロがかかわっていたのだろう・・・、どうしてそれが失われたのかは分からないが。

二度と失えない、失うことが出来ないものだ。

今度失えば、今度こそ正気でいられる自信がない。



今でさえ、正気などとおこがましいほど、ギリギリのところで理性を保っているのだから。

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