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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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アンケートさせていただきました小話になります。
第一弾はジェレミア、カレンの黒の騎士団離反ものです。
かるいワン・ツー・ジャブ程度に騎士団に酷い扱いしていますので、注意書きを凝視された上、それでも読むという方だけどうぞお進みください

展開としてはロロがルルーシュをつれて消えた直後です。
とりあえずカレンは、ギアスについて大方ルルーシュとC.C.から聞いているということで
そのあたりがどうだったか記憶が曖昧なので









「消、えた・・・?」

後ろの喧騒などカレンの耳には届いていなかった。
ただはっきりわかるのは一番肝心なときにゼロを、ルルーシュを守れなかったということ。

「(また・・・っどうして私は・・・)」

二度と彼を見捨てないと決めていたのに、神根島のときの二の舞にはしないと誓っていたのに、ルルーシュの言葉は嘘ばかりだと知っていたのに心を揺らされ彼を見捨てた。

「カレン、もう大丈夫だ!すまない、あんな危険な役目を任せて」

何もなかったか?と心配した様子で尋ねてくる扇の言葉がよくわからなかった・・・。


大丈夫? 何が?


団員たちがあわただしくゼロを追うためにあちこちを駆け回ってKMFを起動させ、斑鳩から飛び出していく。
カレンはゆっくりと辺りを見回し、その中に不思議なものを見つけた。

扇の後ろにいる千草、もといヴィレッタというブリタニアの軍人だった女。
学園にいる協力者なのだと、そしてルルーシュの監視をしているのだと聞かされていた。
その彼女が扇の後ろに立っている。
扇も、彼女の手を繋いでいた・・・。

そして、この場にはあまりにもそぐわない幾人かのブリタニア軍人と憎むべきはずの皇族の二人、シュナイゼル・エル・ブリタニアとコーネリア・リ・ブリタニア。

彼らはそこにいるのが自然とばかりに悠然と立っていた。


おかしくなってしまった騎士団

追われるゼロ

代わりにここにいる皇族


シュナイゼルの唇が弧を描いているのを見たとき、すべてがカレンの中でつながった。


「扇さん・・・どうして皇帝直属の機密情報局の人間の手なんか握っているんですか?」

「え・・・?あ、ああ、これはその・・そう!彼女はゼロにギアスをかけられた被害者で、とりあえずは捕虜として、そうだ!それよりもカレン、ゼロに何かおかしな・・・」

気づけばカレンは扇の顔を殴り飛ばしていた。
吹っ飛ぶ扇に巻き込まれるようにヴィレッタも倒れこむ。

その光景に空気が凍りついた。

「・・・っどいつもこいつも!枢木スザクとかわらないっ!都合の悪いことを全部あいつに押し付けてっ」

「か、カレン?まさかゼロのギアスに」

「ええ、かけられたことがあるわ、でもお生憎様!!私にかけられたギアスは、私になぜレジスタンスをしているのかという理由を聞くためだけのもの。その件については私とゼロの間ですでに片付いています。」

「それは、もしかしたらまたギアスに」

「知らないんですか?あそこにいるシュナイゼル宰相にすべてを聞いたからゼロをルルーシュを追い出したんでしょう?今までの恩も全部忘れて。ギアスは、一人につき一度しか使えないんです。」

カレンは涙をぼろぼろこぼしながら扇に背を向けた。
それと同時にジェレミアが訝しげな顔つきで倉庫へと足を踏み入れた。

「何事か、これは・・・」

言葉が終わる前にジェレミアに銃弾が打ち込まれた。
だが、きくわけもなく弾はぱらぱらと床へ落ちていく。
ジェレミアの顔つきが変わった。
団員たちはなぜ銃がきかないんだと後ずさる。

「・・・・・・なるほど、殿下を裏切ったか。ならば私がここにいる理由もないな。」

「っジェレミア卿!!あなたのオレンジ疑惑はギアスのせい、そうなのでしょう?!!」

ヴィレッタが立ち上がり言葉を放った。
リストの中にいたジェレミア、そうだとうなずくはずだとばかりに誰もが見つめていたが、ジェレミアがヴィレッタへ向けたのは侮蔑の眼差しだった。

「ヴィレッタ・ヌゥ、貴公には話したことがあったな。私がまだ新兵であったころに今は亡きマリアンヌ様のおわすアリエスの離宮の護衛の任を勤めていたと。私にとってマリアンヌ様は憧れ、わが忠義は皇帝ではなくマリアンヌ様に。オレンジ疑惑については、私がマリアンヌ様を、そしてルルーシュ様を裏切った罰なのだと受け止めている。そして今はそのオレンジの名を誇りに思っている。貴公はどうだヴィレッタ・ヌゥ。ブリタニア軍人としても黒の騎士団としても、貴様には誇りというものが欠片もないように見受けられる。ゼロは、あのお方はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア様であらせられるのだ!男爵の分をわきまえたまえ。」

「だが、ジェレミア君。あの子には皇位も権力も何もない、君はそんな皇子についていく価値があるというのかい?」

上から降ってくるようなシュナイゼルの声にジェレミアは姿勢をただし敬礼をとった。

「たとえあの方に認められずとも、私はあの方の騎士となることを誓いました。地位も名誉も権力もありません、ただ私があの方に忠誠を誓った、それだけです。」

「なるほど、君は騎士の鑑のようだ。ここで逃すと厄介だね」

「そのお言葉、わが忠節へのお褒めの言葉とお受けいたします。それでは」

ジェレミアはきびすを返すと入ってきたばかりの扉へ足を向けた。
扉を出る瞬間にぴたりと足を止めると、軽くカレンを振り返る。

「私は行く、ルルーシュ様の騎士として。君はどうする、ゼロの騎士よ」

はっ、とカレンは顔を上げ、あわてて涙をぬぐった。
そしてジェレミアのそばへと駆け寄る。

「行くに決まってるでしょ!無駄なことを聞かないで!」

「ま、待て!カレン、君は」

「扇さん、ナオト兄さんならもっと違う判断をしてくれたわ。」

ぐっと言葉につまり扇が踏みとどまる。
扇が今だに消せないコンプレックスのひとつ。

「・・・それに、ナオト兄さんならルルーシュの気持ちをわかってくれたわきっと。だって、ルルーシュはナナリーちゃんのお兄ちゃんだったんだもの。」

さようなら、とカレンの唇が動く。
この場にいる人間では誰もタッグを組んだジェレミアとカレンに太刀打ちできない。

唯一対抗できそうな千葉と藤堂は既にこの場を離れている。


倉庫の中と廊下、明るい場所と暗い場所とで世界が隔てられたようだった。
カレンは最後とばかりに振り返り、満面の笑みを向けた。

「扇さん、あなたのこと好きだったわ。お兄ちゃんみたいで。だから忠告しておきます、ゼロを追放するためにあなたが手を組んだ相手が誰なのか、もう一度よく考えてください。」

ジェレミアは服の内ポケットへ手を入れると手帳を取り出し、扇の前へと投げ捨てた。
もう秘密ではないのだからとぞんざいに。
表紙に記されているのは『ギアス饗団殲滅作戦報告書』という文字

扇は手帳を拾いあげ、上の階層を省みる。
シュナイゼルの姿も、コーネリアの姿もそこにはない。
再び視線を戻す、ジェレミアとカレンの姿もない。

ぞわり、といまさら背筋に何かいやなものが走った・・・



はてさて、脳みそを奪われた人間はいったいどうなるのか

(ただの人形と朽ち果てるだけ)



+++++

無心に穴を掘るルルーシュは、不意に影が差したことに気づいて顔を上げた。

「・・・・・・ジェレミア。」

穴を掘るために使っていた木の棒を奪われる、だがそれはジェレミアではない。
反対のほうへ顔を向ける。

「・・・カレン・・・俺を捕まえに来たか?」

答えはない。
代わりにカレンはルルーシュを抱きしめた。


「わが君、我々はあなたの騎士です。あなたが修羅の道を歩むというのなら、我らはその血路を開きましょう」

「ジェレミア、俺は・・・もう何も持たないただの」

「ただのルルーシュでいいのよ・・・皇子のルルーシュも、ゼロのルルーシュも、全部まとめてルルーシュよ」





「ありがとう」

黒の皇子は夕日色の騎士と朝焼け色の騎士に肩を抱かれ、一筋涙をこぼした。



++++++++++


【アトガキ】
なんかめっさ長くなりました。
ちなみに饗団の話やいろんな矛盾は卜部さんのほうへまわすつもりで書いていません。
ジェレミアは報告書を誰にも見せないために持ち歩いていたということにしているんですが、さてさて真相を知った騎士団はどうするんでしょうね。
卜部さんの話も、できれば今日中に書きたいです・・・

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