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そんなこんなでパープルアイの始動です。
ちなみに種族を超えた愛なんてものは芽生えません、略奪愛です。
あと、死にネタとか入ってくると思いますので。
「終わりの始まりの日」
あぁ、甘い・・・甘いにおいがする・・・。
ルルーシュはぴちゃりと真新しくできた傷から手にべったりとついた自分の血に舌を這わせた。
ぴちゃり、ぴちゃりと朝も早い台所に水音が響く。
「ルルーシュ・・?」
現実へと引き戻したのは従姉であるコーネリアの声だった。
「え・・あ、姉さんおはよ「おはようじゃないっ!何をしているんだ!ボケっと突っ立ってないでこっちへ来い」
とたんに襲ってきたしびれるような足の痛み。
ぢくぢくと痛む足を引きずるようにしてルルーシュはコーネリアのもとへと歩いて行った。
コーネリアは慌ただしく救急箱を引っ張り出してくるとすっぱりと切れてしまっている脛のあたりに容赦なく消毒液をかけた。
「まったく、ああもう・・・ずいぶん深いな」
「おはよう、ねえさ・・・・うわっ、どうしたの姉さん!」
「あ、ああ‥おはようロロ」
「おはようロロじゃないよ!」
コーネリアとはいとこのはずなのに、全く同じ反応を返すロロにルルーシュは苦笑した。
それを見とがめられてコーネリアに軽く頭をはたかれる。
「だから、包丁の扱いには気をつけろと言っているだろう。全く・・・ロロ、台所を片づけてきてくれるか?」
「あ、いや・・・俺が」
「お前はおとなしくしていろ!!」
「姉さんはおとなしくしていてください!」
さて、朝っぱらから騒がしくしているこの一家はランペルージ家。
前述したようにコーネリアとルルーシュ、ロロは従姉妹同士だ。
母方つながりで幼いころから仲がよく、この一家に父親はいない。
いや・・・これは長女であるコーネリアとルルーシュだけが知っているのだが、コーネリアとルルーシュの父は同じであり、つまりはこの3人(もう二人妹がいるため5人だが)は実の姉妹でもある。
言った口が腐るとその事実はコーネリアとルルーシュだけの秘密であるが、事実しまいであったロザリアとマリアンヌに手を出した5人の父親は最低なおっさんである。
その上、実はあったこともない兄が一人いるため、妻を持つ分際でさらに2人の女性に手を出したということだ。
いや、それはどうでもいい。
ともかくルルーシュの母は2年前に、コーネリアの母は5年前に他界していた。
そのためにいとこであるコーネリアとその妹ユーフェミアはルルーシュの家へと身を寄せていた、当時はまだコーネリアも学生で、ユフィと二人きりで生きていくのは難しかったから。
「ルルーシュ、疲れているんじゃないのか?家事をお前に任せきりだから・・・」
「大丈夫ですよ、洗濯や掃除はロロやナナリーやユフィも手伝ってくれますし。それにナナリーやユフィに包丁を持たせるわけにはいかないでしょう?」
「お前に持たせるのも考え物だがな」
「今日のは、ちょっとした事故です。」
ぷぅと膨れ面になったルルーシュにコーネリアはようやくほっとした笑みを浮かべて亡くなったマリアンヌにそっくりの黒髪をなでた。
絶対に延ばすべきだとナナリーやユフィに押し切られて伸ばし始めてもう5年。
髪は腰ほどまでの長さがある。
年齢にそぐわない早熟した美しさにコーネリアは時々肝を冷やしていたが(いつどこの馬の骨がかすめ取っていくか・・・)、尊敬していたマリアンヌの娘であり自慢のいとこで妹でもあるルルーシュが年々美しさを増していくのを誇らしくも思っていた。
「とにかく、学校へ行く前に病院へ行け。タクシーを呼んでやるから・・・私が送れたらいいんだが」
「今日は会議だと言っていたでしょう?あ、お弁当はできてますから。」
「全く、自分の足を切っておいて何が弁当だ。先に自分の心配をしろ。」
「そうだよ、姉さん・・・まったく、心臓に悪いんだから」
「すまない、ロロ」
ルルーシュ・ランペルージはこんな日々がずっと続くと思っていた。
しっかり者の姉と、少し気弱だけれどしっかりした弟、そして優し妹たち。
こんな日々が・・・続くと思っていたのだ。
だが、この事件が起こる前から確かに異変はルルーシュの足元へと忍び寄っていた。
***
事の起こりは昨日の夜のこと。
風呂上りにルルーシュは鏡の中に映る自分を見て幼いころから首のところにある斑紋のようなあざが濃くなっていることに気づいた。
ルルーシュ自身はそれまでその痣のことを大して気にしていなかったが、姉妹たちや幼馴染には、今なら治療すれば消えるのだから消せばいいとよく言われていた。
だが、こんなに濃かっただろうかと身を乗り出し首のところをよく映して見ようとする。
幼いころはこの痣が案外好きだった。
なぜなら、母も鎖骨の下あたりにこの痣を持っていたからだ。
母とお揃いだということがうれしくて、「お兄ちゃんだけずるい」とナナリーやロロに言われたこともあった。
ただ、母がルルーシュの痣を見ると少し哀しそうにするのが気がかりでそれ以上言うことはできなかった。
今考えてみれば当然だろう。
ルルーシュがどんなに虚勢を張ってもルルーシュは女の子で、おそらく母は娘のそんな目立つ位置に痣を持たせて生まれさせてしまったことが悲しかったのかもしれない。
母のせいではないが、そういうものだろう。
まぁ、気にするほどのことでもないだろうし今となってはこの体すべてが母の残した形見のようなものだ。
ルルーシュは鏡から目を離すと脱衣場を出ようとして電気を消した。
次の違和感を感じたのはその瞬間だった。
鏡に何か光が映ったような気がしてルルーシュはそこを凝視する・・・。
確かに何かがキラキラと光って映っていた。
いったいなんだろうかともう一度電気をつけて、それが自分の眼であったことに驚いた。
周囲からも自分の紫の瞳は珍しいと言われていたが、こんな夜に光る猫のような眼をしていただろうか。
ルルーシュは鏡を凝視しながらまた電気をぱちりと消す。
やはりルルーシュの眼はきらきらと紫色に輝いていた。
***
そうして今朝のこの事件・・・。
病院帰りにルルーシュはゆったりとした足取りで学校へ向かいながら、自分はいったいどうしてしまったのだろうかとため息をついていた。
だが、これといって思い当ることもなし。
病院で医師に少し目がおかしい気がすると言ってみたが異常はないように見えると言われて終わってしまった。
実際そうなのだろう。
「(疲れているのかもしれないな)」
ルルーシュはかぶりを振り、顔をあげた。
視界に入ったのはスザクの家。
そういえば連絡も入れていなかった、あの幼馴染は心配しているだろうかと・・・いや、確実に心配していて学校で怒られるだろうなとルルーシュは肩をすくめた。
家の前を通り過ぎる際、まるでタイミングを見計らったかのようにスザクの家のドアが開く。
スザクは両親ではなく祖父母と暮らしている。
母親は先に他界し、残された父親は仕事で忙しく、見かねた祖父母がスザクを引き取ったのだと以前言っていた。
「とにかく、スザクはうちで育てますよ。あなた達の頭のおかしな研究なんかにつきあわせません!・・・あら、ルルちゃんこんにちわ」
「こんにちは・・・」
出てきたスザクの祖母の剣幕を真正面から見てしまってルルーシュは何となくそのまま歩いて行くのも居心地が悪く足を止めて頭を下げる。
やっぱり、昨日今日と厄日らしい。
何が悲しくて幼馴染の家の修羅場を見なければいけないのか。
家から追い出されるようにして出てきた男性は、どこかスザクに似ているように見えた。
おそらくスザクの父親なのだろう、軽く会釈を向けると不機嫌そうにしていた男は表情を変えてルルーシュに詰め寄った。
「君、この痣は・・・それにこの瞳・・・」
「え・・・あの、生まれつきで・・・・・・あの、何か」
男は何かを考え込むようにルルーシュを見つめた後、ゆっくりと離れ家の前に止めてあった車に乗りこりみ走り去って行った。
「ルルちゃん、大丈夫?」
「ほぇ?あ、大丈夫です。今の人は」
「離縁したうちの息子、スザクの父親よ・・・。ごめんなさいね」
「いえ、別に私は平気です・・・あの、それじゃあ学校に行くので」
「ええ、気をつけてね」
”気をつけてね”
その言葉がやけに引っかかった。
同時に脳裏に思い浮かぶのは今立ち去ったばかりの男の姿。
ルルーシュは軽く身震いをしてスザクの祖母に一礼をすると足早に歩き始めた。
++++++++++
うーん、とっても説明チック。
まぁ、最初だしこんなもんですよね。
最初はルル、ナナ、ロロの3人暮しのつもりでしたが、ルルがいなくなった後に取り残されるというのが不憫でネリ様を父親ポジションに取り入れました。
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女性
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夢を追い求めて旅をしてます
趣味:
妄想、寝ること、映画
自己紹介:
京都に実家、福岡に在住している学生さんです。
福岡にオタク友達がいなくて偶に鬱々してます。
寂しいと死にはしませんが不貞寝します。
空を自由に飛びたいなぁなんて夢を持っています。
いつかパラグライダーかハンググライダーをする気でいます。
マイペース、ケセラセラを心情に頑張って生きています。
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