★ 墓２

墓、を読んだ方は分かりますね。
ちなみにルルは17歳。
本編思いっきり無視して最終話も通り越して、なんか藤堂さんとルルが一緒にいます

「きょうしろう、お前はいい奴だったな」

ザックザックとシャベルで掘った穴にルルーシュはバケツの中身をひっくり返し、また埋め始めた。
その光景を藤堂は何とも言えない表情で見ている。
ちなみに正座だ。

「無条件に俺のこと信じてくれて」

ザックザックと土をかけて穴をしっかり埋める。
時々穴の上に乗って飛び跳ねてしっかりと踏み固める。
水もかけたりしてずいぶんな念の入れようだ。

その様子を藤堂はやはりいたたまれない様子で見ていた。


「俺のことなんっっっにも知らないのに」

穴を埋め終わってルルーシュはそばにあった板を取りに行く。
といってもそれはおそらく昔このあたりで使われていたのだろう看板だ。

爆風でぼこぼこになっているがルルーシュは気にしていない。


文字がよく映えるように白く塗りなおされた看板のペンキは乾いていた。


ルルーシュはそれを勢いよく穴の踏み固めていなかった部分に突き刺す。
（ちなみにルルは今穴の上に立っています）


そして大きめの絵筆と絵の具の入った小さめのバケツを手に取ると鼻歌を歌いながら文字を書き始めた。


「馬鹿みたいに俺のこと信じて・・・」


べちゃっ、と水分を多く含んだ絵筆を叩きつけ、ルルーシュは線を引き始める。


「で、あっさり裏切って行ってしまうんだからなぁ・・・」



すべてを終えたルルーシュが振り返ったとき、藤堂は目をそらさずにいられなかった。
だって、あまりにも輝かしい（それでいて絶対零度の）頬笑みだったのだから。


「なぁ？藤堂鏡志朗？」






「すまん」


白いでこぼこの看板には赤絵の具で「とうどうきょうしろう　の　おはか」と書かれていた
しかもいい感じに絵の具が滴ってまるで血文字のようだ。
ルルーシュがひっくり返したバケツの中身を藤堂は知っていた・・・母、マリアンヌに教えられたという日本文化、藁人形と五寸釘だった。


「日本って・・・いい国ですよね」


不意打ちのようにつぶやくルルーシュに、藤堂は恐る恐る目を向ける。

「なんて、言うんでしたっけ・・・こういうとき」

ああ、とわざとらしく呟いてぐるんっ、とルルーシュは光あふれる笑みを向けた。





「謝って済むなら警察はいらねえよ・・・・でしたっけｖ」



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ルルの笑顔はネウロを想像してください。
ネウロがヤコに向けるような真っ黒できれいで怖い笑顔