★ ロード 異伝④

FF7の再録も含めて大量更新中です。
何となくな気分です。
藤堂さんは出ません。
ミレイとリヴァルが出ます。

学園編です

「こらぁっ！ルルーシュいい加減に観念なさぁーいっ！」

「勘弁してくださいよ会長！」

ぱたぱたとへろへろになりながら走る黒い影とものすごい勢いで走る金色の風。
いや、中等部副会長のルルーシュ・ランペルージと生徒会長のミレイアッシュフォードだ。
と、いうか今年から開校した学園のため各学部とも1年生しか揃っていない。
学園の敷地の割に少ない生徒たちはもう慣れたようにくすくす笑いながらそれを見守っていた。

副会長のルルーシュ・ランペルージはれっきとした女生徒であるが女子用制服を着てきたのは入学式当日のみでそれ以外は男子用の制服を着ていた。
最初のうちはやんわりと着るよう口にしていたミレイだったが、そしてやんわりと断り続けていたルルーシュだったが、今ではこうして事あるごとに鬼ごっこが繰り広げられていた。
しかもミレイが持って走っている制服はルルーシュ仕様の（ルルーシュに言わせればふざけたような）高等部の制服と同じくらいのミニ丈なのだ。

走っていく先に見覚えのある青い髪を見つけてルルーシュはチャンスだと笑った。

「リヴァルッ！」

「へ？えっ？！」

ルルーシュは体力こそないものの運動神経はある。

「それに乗せろ！」

「あ、ああっ！」

「こらぁあっ！リヴァルーーッ！」

あわててバイクにまたがるリヴァルの後ろにルルーシュも飛び乗る。
エンジンをかけて振り返った時にはもうミレイの姿は遠かった。

「助かったよリヴァル」

「こちとら助かってねーよ！あーっ、会長に嫌われたらどうしてくれるんだあっ！」

「その時はおれのせいだって言っておいてやるから」

「ったりまえだろーっ！」

ひーっと泣きながらバイクを走らせるリヴァルをよそに、ルルーシュは頬を切る風に目を細めていた。
ルルーシュはこうして時折リヴァルのバイクでハイウェイをハイスピードで駆け抜けるのを楽しみにしていた。
ハイウェイからは藤堂と暮らしていた富士のあたりが見えるというのも大きな理由だ。

「リヴァル」

「なに？」

「もっと飛ばしてくれ」

「無茶言うなって！違反切符切られるっての」

「なら自衛隊まで走らせてくれ」

「おまっ、俺に斬り殺されろって言いたいのか？！」

生徒会ではルルーシュが実は皇族であり、のちのち自衛隊の二佐である藤堂鏡志朗と結婚するということはすでに暗黙の了解となっている。
最初の5月の連休にルルーシュに会いに来た藤堂を目撃しているミレイやリヴァルは藤堂のルルーシュに対するできあいっぷりをしっかり確認済みだ。
故にこうしてルルーシュとタンデムをしていることなど知られてしまえば絶対にただでは済まないだろうな、とリヴァルは理解していた。

「（やっぱ、今度サイドカー買お・・・）」