★ 君と在る未来①

ようやく書き始めました。
案外コメント付きましたね・・・
というわけでライゼロ藤ルル。

最初はライゼロサイドからです。

お待たせした割に大したものでなくてすみません。



最初のあたり、わかりづらいのはウサギくおりちーです

ライ・・・・・・


記憶喪失で経歴も素性も謎の少年。
外見から推定される年齢が同い年程度だろうというだけであって実際の所はもっと年下かもしれないし年上かもしれない。
ものすごく怪しいとしか言いようのないこの少年は、行き場がないという理由からクラブハウスに住むこととなった。
何を思ってミレイが少年の住居をクラブハウスとしたのかは不明だが守護者であるミレイが何も策もなしに住まわせるわけはないと信じたい。

いや、記憶喪失なのだからもちろん目の届く範囲にいてくれる方がありがたい。

その方がいつ記憶を取り戻したかもわかりやすいし対応に関してもいくつかパターンが考えられる。


初めの頃は無愛想であまりかかわりあいになるつもりもなく、当たり障りのない態度でかわすつもりだった。
（おそらくライ自身は不愛想というつもりもなく、ただ単に感情の起伏が薄いだけで思うところはあったのだろうけれど。）
それが何時のころだろうか・・・気にかかるようになり始めた。
意外に優しい所があったり、少しとぼけたような天然のようなところがあったり。

それでも、やはり他人事で、少し気にかかる他人という程度でそれ以上は踏み込ませたくないと思った。


そんなライに興味を持つ決定打となったのはゲットーで起きた一つの事件。
黒の騎士団を名乗る連中のテロに巻き込まれ、カレンを守りKMFで大立ち回りをしたという噂だった。
他人に興味がなさそうだったライが、カレンを守ったということにも驚いたがそれよりもKMFを操縦していたのが本当にライであったのだと言う話に何よりも驚かされた。
カレン自身から報告を受け、黒の騎士団に引き入れたいと言われたのだ。

それでライの能力に興味を持った。
KMFを操縦できるなら軍人か、カレンのようにハーフでどこかのレジスタンスに組していたのだろう。
黒の騎士団で正直戦力になるのはカレンぐらいのものだ、あとは誰も彼も自分を含めて似たりよったりといったところか。
黒の騎士団に引き入れて・・・そののちに記憶が戻った後どうなるかがわからない。
軍人であれば、どこかから自分の名が上層部に伝わるかもしれない、レジスタンスであればブリタニア人に匿われたくなかったなどといって逆切れする可能性もある。

今のところそんなことはない、と思いたいが記憶喪失になって性格が変わったという話もなくはないのだ。




「そんなに悩んでるけど・・・とどのつまりは欲しいんだろう？」

背中から凭れかかる重みと温もりに目を細めて、けれど返す言葉が見つからずに押し黙る。

「大丈夫・・・だと思うぞ。ライは・・・」

「だが、万が一」

振り返った先にあるのはほんの少し柔らかい色をしたアメジストの瞳。

「大丈夫だ、と・・・信じてみよう？それに・・・軍人だとしてもあの若さだ、上に話が行くまでに時間はかかるだろう。その時は騎士団ごと移動すればいい。」

「ルルーシュ・・・だが」


信じるのは、怖い。
紡がれなかったその言葉をルルーシュは確かに感じていた。
何度、誰かを信じてそのたびに裏切られてきただろうか・・・。
それでも、誰かの優しさを信じたくなる・・・そんなルルーシュを叱咤し続けてきたのは双子の片割れだった。

決して誰かを信用などするものか、と頑なになったのは自分のせいでもある。
そんな片割れが誰かを信じたいと・・・初めてそんな意味をもつ言葉を漏らした・・・。

本当に危険ならば、自分がこの手で排除すればいい。

「大丈夫だ・・・それに、鬼籍に乗った皇族の名前を聞いたとして、今の俺たちとすぐには結び付けられない・・・そうだろう？」

「ルルーシュ・・・」

「鬼籍に乗った皇族は双子の皇女。俺たちは二人で一人のルルーシュ・ランペルージ。そうだろう？」