★ 盲愛

タイトルをつけてみたものの、行き詰ってきました。
タイトルつけるの楽しいですけど考えるの大変ですよね～。
っていうか部屋の片づけしないと、引っ越しがあるから・・・

このパソコンいつまで使えるかなぁ

夜が来る


眠っている間に自分に何が起こっているのか。
いや、この指先や、血のこびりついていた仮面を見ればその理由を想像するのはたやすいことだった。

そして、そこから連想しうる原因も。



だがそこから目をそらす。



「女々しいな・・・」

８年前のことを藤堂が覚えていない以上、ルルーシュの独りよがりな思いでしかないのだ。
藤堂にとってのゼロは、正体不明の仮面の男、それ以上もそれ以下もない。


「兄さん・・・むこうで、なにか」

「何もないよ」


即答して切り捨てる。
偽りの物など、もう何もいらない・・・ほしくないのだ。


「ごめん、ロロ・・・。少し疲れてるんだ。」

「・・・うん、無理はしないで」


おやすみ、と言って出ていくロロを冷やかに見送る。
アレは・・・もういらない・・・。

疲れていても眠る気などなかった。
だから荷物をまとめる。


「咲世子」

「はい・・・」

フッと音もなく、咲世子がルルーシュの後ろに立った。


「たぶん、もう帰らない。」

「では・・・」

「お前はこれまで通り、ここで俺の代わりを。機を見てこちらへ来い。」

「かしこまりました、ロロ様は」

「・・・・・・任せる」


夜の闇が空を染めるように、闇が思考を染めた。


もう何かを考えることさえ億劫だ。


最低限の荷物だけを詰めた鞄をもって階段を下りる。



そして振り返りもせず、二度と戻ることのない箱庭を出て行った。



＊＊＊＊＊


「っあんた、こんな時間にどうしたのよ」

「学生をやめて、ゼロに専念しようと思っただけだ。向こうに咲世子を置いてきた。」

「置いてきたって・・・スザクやほかのラウンズは。」

「ロロはもともと機情で暗殺をしていた、咲世子も優秀なSPだ。俺が残るより彼女らにあとを任せた方が被害は少ない。」

肉体的ハンデを考えれば、それはもっともであるのだがこれまでのルルーシュとは何かが違うように思えてカレンは戸惑う。

「会長や・・・リヴァルやシャーリーは」

「もともとアッシュフォード家は隙あらば俺を帝国に売り渡すつもりだったんだ。記憶がない今、俺を守る必要はどこにもない。俺がいない方が学園も安全だろう。」

「そう言うことじゃなくて・・・」

「それに、学生時代の友人なんて通りすがりのようなものだ。一生を掛けて付き合っていくような友人なんて一生かけて１人いるかいないかそんなものじゃないか？」


足を止め、振り返ったルルーシュの瞳は黒くよどんでいるような気がした。

カレンが何も答えないのをいいことに、ルルーシュは軽く嘲笑を浮かべた。

「安心しろ、カレン。お前は通りすがりの友人じゃないさ」


そうして背を向けると今度こそ行ってしまった。




「・・・・・・通りすがりの、友人にさえなれないわけね・・・私は。」

ルルーシュを、友人などと思ったことは一度もなかったように思う。
けれど・・・それはとても寂しいことのように思えた。




「それなら・・・あんたにとって一生かけてでも必要な存在って、なんなのよ」


ナナリーの手も取れず、学園を捨てて、スザクと敵対して、騎士団の中で心を許し合えるような存在なんて聞いたこともない。
C.C.かもしれないが、それはまた違うように思える。

「あんたにとって、通りすがりじゃない人間って・・・誰なのかしらね。」