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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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昨日にて私2X歳となりました~
なんか疲れすぎて夜に普通に寝るという至って健全な生活まで送ってしまった。

で、本日はようやく藤堂さんとルルと再会?しました。
ようやく藤堂さんがまともにしゃべった。脳みそまともじゃないけどねw








其処は、とても懐かしい場所のような気がした。
其処にいてはいけないのだと思っても手を離すことが出来ない。

だから、包み込む温もりが離れていかないことをいいことにそっと縋りついてみる。

より一層強く引き寄せられ、おぼろげな意識の中、ルルーシュは小さく笑った。


***


『ん・・・』

『あぁ、目が覚めたのか』

目が覚めた、というよりもそれはただの癖だった。
大切なものがちゃんと傍にあるか、現実が幻ではないのか・・・それを確認するようにいつもすぐに目が覚める。

これ以上ないというほどに密着しているというのに、それでも温もりが足りないように思えた。

『・・・もっと』

『ん?どうかしたのか?』

『・・・もっと、ぎゅって、して下さい』

笑う声が耳に届いた。
そして、望んだ通りに抱きしめる力が強くなる。




このまま時が止まってしまえと・・・何度願っただろうか。


***


弱弱しく縋りついてくる手をそっと握り返した。


仮面を外すのは憚られてマントとタイ、そして手袋だけ外したが・・・かつてはきちんとサイズが合っていたのだろうスーツが少しばかり緩いことに思わず眉をひそめてしまった。
そして傷だらけでぼろぼろの指先。

悪いと思ったものの袖を巻くってみれば明らかに自分でつけたのだろう傷跡と細すぎる、予想よりも頼りのない細い腕があった。

藤堂が力を込めればいとも容易く折れてしまうだろう。


あまりに強く、そして常人の何倍も頭の回転が速いものだから、つい年下なのだろうということを忘れてしまう。
年下どころか、おそらくはまだ大人に守られていてしかるべき年齢であるかも知れないのに。



そっと寝かせておいてやろうと藤堂はゼロの手を離し傍を離れようとした。
見た限り神経質な人間だから、一人にしておいた方がいいだろうと思った。

その選択を後悔するとは夢にも思わずに。



***


温もりがふいに消えた。


『藤堂さん・・・?』

まるで急に盲目になったかのように何も見えなくなる。
手探り手を伸ばしても何もない。

『・・・いやだ』

どんなに手を伸ばしても見つからず顔を覆う。

『・・・一人は、いやだっ・・・藤堂さんっ』

傍にいてくれると、約束してくれたのに。
離れていかないと言ってくれたのに。

『どこ・・・藤堂さんっ』


誰もいない

答えも返ってこない

暗く冷たく、寂しい世界。


一度愛されてしまった心は、その場所に耐えきれなかった。

『藤堂さん藤堂さん藤堂さんとうどうさん藤ドウさん藤堂さんとう堂さん藤どうさんトウ堂さんとうどうサントウドウサンっっ・・・』


どんなに叫んでも・・・、温もりは返ってこなかった。


***



急に悲鳴が聞こえて、あわててゼロの様子を見に行けば思わず息をのみ立ちすくんでしまうような光景がそこにあった。

うめき声をあげながら仮面の上から爪を立て体を痙攣させてゼロ。
下に落ちている・・・赤の混じった白い小さなかけらから思わず目をそらしゼロの腕をつかんだ。

「落ち着くんだ・・・落ち着け!」

「ぁ ああ゛っ  あぁ゛ぁああ゛あ゛っっっ」

仮面を無理やり外して全身で押さえつける。
仮面にこびりついたアカは・・・きっとゼロの指先にあるアカと同じなのだろう。

髪を振り乱し、獣のように慟哭する姿はとてもではないがいつものゼロと結びつかなかった。


細い体のどこにそんな力があるのか・・・必死にもがいて、もがいて、やがて傍に何かのぬくもりがあることに気づくと、真っ赤に染まった指で離すまいと必死にかき抱く。

「いかいないで行かないで行かないでイカナイデ逝かないで往かないでイカナイデいかないでいかないで往かないで行かないで逝かないでいかないでいかないでいかないでいかないでいかないで」

爪の剥がれた指が藤堂の腕に食い込み、藤堂の服をもじわじわとアカで浸食する

「ひ とり はっ  いやだっ  もぉ、いやだぁっ、ひとりにしないで いやなの、いやだ、いやぁっ ひとりはいやだ」

「一人ではない・・・一人ではないから・・・っ」

泣きじゃくり、嗚咽をあげ縋りつく姿を、不覚にも愛おしいと思った。
それと同時に思う。


呼べない名の主は、やはりゼロなのだろうと。


「大丈夫だ・・・傍にいる。今度は、もう離れたりなどするものか。」


相変わらず、名を呼ぶことはできなかった。
呼ぶ名を思い出すことはできなかった。
だが、腕の中にそれがある・・・。

どうして忘れたのか、どうしてこの思いだけがくすぶり残り続けていたのかなど、藤堂にも分からない。

温もりを取り戻した今となっては、どうでもいいことだ。



腕の中にまだなお泣き続けるゼロを閉じ込め、藤堂は剣呑な光を瞳に宿した。


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