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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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明日、のラストになります。
最終回捏造の、今度こそちゃんとした藤ルルです。















たとえ君と私の明日が違っても

一緒に明日へ歩きたい

傷を負ったならば そこから飛び立てないならば

変わりに君の翼となるから

君と明日へ歩きたい



++++++++++
 

『さようなら、です。藤堂さん・・・僕なんかにかかわっちゃだめですよ』

 

デジャヴュ・・・違う、それは確かな記憶。
泣きそうな笑顔を浮かべた少年が思い出された。

「ルル・・、ーシュくん」

そう、自分はその子供をそう呼んでいた。
悲劇の皇族


この国へ来て・・・逆上した日本人に殺されてしまった、人質だった皇子。


ルルーシュの足が止まった。

「くん・・・?今更、気味が悪いな藤堂。命乞いか?」

「・・・っ」

そう、なぜ忘れていたのか不思議なほどに記憶が鮮明に蘇る。
妹思いで、スザクと正反対だった、優しかった子供。

やがて、ルルーシュは一つため息をつく。

「・・・忘れたままで、いればよかったんですよ・・・・・・何で今更思い出すんです」

「・・・・・・何故、だろうな」

ルルーシュはふたたび牢へ戻り藤堂の前に今度は座り込んだ。

「でも、思い出したって何にもならないですよ。俺は変わってしまったんです。」

「なら、何故・・・俺に会いにきたんだ?黙って、明日を迎えれば」

ルルーシュの細い指が藤堂の唇を押さえた。

「ええ、明日を迎えれば・・・もう二度と俺と貴方が顔を合わせることはなくなる。昔世話になったあなただから、もう一度会っておきたかったのかもしれません。」

「・・・あの、質問の意図はなんだ。君は何をしようとしているっ」

 

 

 

「ナイショ、ですよ?」

苦笑して、ルルーシュは藤堂の唇を押さえたまま、小さな声で囁いた。


「明日、俺がいなくなって、世界は変わるんです。」

ネタを明かしたんですから、平和な世界で笑ってくださいよ?


そんな風に笑うルルーシュに藤堂は息を詰まらせた。


子供のように笑う。
ルルーシュは久方ぶりに笑みを浮かべた、本当にあどけない子供らしい笑みを。


「ああ、なんだか・・・少し気持ちが楽になりました」

「ルルーシュ君・・・」

「なんででしょうね、藤堂さんのそばは・・・昔から落ち着くなぁって思ってたんです。
たった一回だったけど、本当に安心できた。」

いつになく口数多く話すルルーシュに藤堂は困り果てた様子でただ見つめる。

「俺の明日はもう来ないけど・・・でも、ナナリーやあなたに優しい世界を残せる。それで充分なんです。この世界に俺は必要ない。」

「・・・明日が、ほしいんだろう?」

「世界は俺を望まない。だから、いいんです・・・これで」


ルルーシュを、望まなかった自分がいた。
こんなになるまで彼を思い出せずに、彼を追い詰め、黒の騎士団から追い出した。


「あ・・・でも。」

「なんだ・・・?」

「最期の場所くらいは、好きな場所を選びたかったですね。」


言葉にならない思いが、ずきりと胸を痛めつける。

20も年下の子供が・・・最期の場所を選びたいと言って笑う。


どうしてこんなことになったのか。
誰に聞かずともわかる。

ルルーシュが正しかったわけではない、だがルルーシュだけが間違っていたわけでもない。
年下だとわかっていたのに、大人になり切っていないとわかっていたのにそれでもすがって、頼って・・・不甲斐ない大人たちが、寄ってたかって一人の子どもの未来をつぶした。

「・・・いいのか、本当に、それで」

「藤堂さん・・・」

「君はいまさら何をと思うかもしれない、君のことを知ったからと身勝手だと思うかもしれない!だが・・・、大人にもなっていない君が生きることを諦めなければならない世界など、間違っている!本当なら、俺たちが、君を守らなければならないのに、俺たちは君に守られてばかりで。」

 


「・・・そんな、あなただから・・・やっぱり最期に会っておきたかったんです。俺の方こそ、いまさらですが・・・卜部や、仙波や、朝比奈のこと・・・すみませんでした。俺の作戦ミスです・・・。」

 

今度こそ、立ち去ろうと腰を上げるルルーシュを見て、藤堂は一つ決意を固めた。


「ルルーシュ君・・・この拘束を、外してくれないか?」

「藤堂さん?」

「・・・頼む」

今となっては、何もしはしないだろうと思ったのか。
それとも殺されてもいいと思っていたのか、ルルーシュは大人しく藤堂の拘束を外した。

「苦しいでしょうけれど、もう1日のガマ・・・っ」

ドスゥッと腹部に重く叩き込まれたのは藤堂の拳。
なぜ?と目を見開くもそのまま意識を失ったルルーシュの体を抱きとめ、優しく抱きしめた。

 

「君の明日を・・・潰させはしないっ」

 

ムシがいいというかもしれない。
邪魔をするなというかも知れない。

藤堂はこれまで、何一つ守り抜くことができなかった。


日本も

主と定めた片瀬も

ルルーシュに任されたブラックリベリオンの戦場も

部下である四聖剣も

 

「なにも、出来ない・・・なにも守れない俺だが。今度こそ、君だけでも守り抜いて見せる」

 

 

ゼロレクイエムは不完全なまま幕を閉じた。
そして、ゼロレクイエム、最後の死者は藤堂鏡志朗と悪逆皇帝ルルーシュ。
その証明は、藤堂の収容されていた牢に散っていたおびただしい血痕の跡と、血濡れたルルーシュの皇帝服の一部。

だが、それでもゼロレクイエムは完成した。

再び世界にゼロが現れたことによって。
剣を持ち、牢を開放したゼロは、筋書きは違えど世界の英雄となった。










***


「・・・・・・どうしてくれるんですか?」

ゴミ捨て場に落ちていた携帯テレビを修理して見たニュース。
その内容にルルーシュは冷たいまなざしを藤堂に向けた。

「俺が人生の最後をかけて立てた計画があなたのせいで台無しです!全部中途半端に終わって!!」

「だが、世界は平和になっただろう?」

「それとこれとは別問題です!」

ふぅ、と藤堂がため息をつき、仕方がないというようにルルーシュを抱きしめた。
ごまかすなと言わんばかりにルルーシュは藤堂を殴るが、全く効果がない。

「君が望んだ、優しい世界だ。君は見届ける義務と、この世界で生きる権利がある。」

「そんなの、誰が認めるって言うんですか・・・」

「だれが認めなくとも、俺が認める・・・。」

横暴だ、ワンマンだ!
そう思いながらも、せめて最期の居場所にと願ったその場所に包みこまれルルーシュは唇を尖らせるだけだった。

「ルルーシュ君、これからどうしようか・・・。平和な世界を見て回ってもいい。」

「知りませんよ!こうなったのはあなたの責任なんですから!あなたが決めてください!」

ついにはそっぽ向いてしまったルルーシュに、藤堂は苦笑した。

「ああ・・・責任を持って、俺は君を守ろう・・・生涯をかけて。」




++++++++++

ルルはシャルルんからコードを継いでいることにして、
そのうち追っかけてきたC.C.から藤堂さんもコードをもらうことにしてしまいましょう

うん、そうしましょう

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