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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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久しぶりにもしもの世界のルルゼロ話。
あまあまラブラブを目指して頑張ってみました。
一日遅れですがバレンタインデーです。

血のつながっていない双子の兄妹って面白いですねww










バレンタインデーにこんなに心拍数をあげたのは初めてのことじゃないだろうか。
家でやるとばれるから、ミレイの家のキッチンを借りての作業だ。


「ゼロもそうしてると乙女よねぇ~」

「う、うるさい!!」

チョコレートクリームをかき混ぜながら、ゼロが真っ赤な顔をして言い返す。
だがあまり効果はない。

「だ、大体!これは兄弟にやるんだからなっ!義理だ、義理!!」

「あらぁ、普通は兄弟への義理チョコに、手間がかかるオペラなんて作らないわよ~」

ぐぅ、と唸り黙り込んだルルーシュをミレイはおかしそうに、そして可愛くてたまらないとばかりに見つめる。

「し、か、もぉ~、明らかにこれ…ルルちゃんだけに上げるんでしょ」

「そ、そんなことはっ」

「うそうそ、どう見たってこのサイズは二人分よ。二人で食べるんでしょ?」

「ぅぅうぅうるさい!!そんなこと言うならもう教えないぞ!!」

「あっ、ヤダッごめんってばぁ。もう言わないから許して」



++++++++++


そんな紆余曲折を経て作ったケーキだが、部屋でブツブツと唸るように何事かを呟きながらチョコレートの仕分けをしているルルーシュを見てあっという間に気分が下降した。

「すごいな…」

「ああ…毎年嫌になる。」

男だったころは自分もそうだった。
本当にうれしかったのはナナリーからのものくらいだ。
生徒会のメンバーもそれを知っているためかチョコレート以外のものをくれることが多かったし、そもそもチョコレートを渡すというのは日本の習慣であるため、向こうにいたころはチョコレート以外にもクッキー花束キャンディなどさまざまなものが贈られた。
全員にお返しというわけにはいかないが、せめてカードくらいは返すべきだろうとだれからもらったか把握するために必死だったなぁと遠い目をする。

それに

この家にいる女性はナナリーだけではない。
ユーフェミアやコーネリアやマリアンヌもいるのだ。

たかが3個、されど3個…確実にこの4人と生徒会のメンツの物は自分で食べなければならないだろう。

「(やめておくか…)」

もったいないが、これはクロヴィスあたりにでも渡せばいい。
もちろん父親とシュナイゼルにも用意はしてあるが、其処まで甘いものが好きではない二人に渡すぐらいだったら、素直に喜んで感触してくれるだろうクロヴィスの方がいい。

そう思って、紙袋をベッドの陰に隠すようにしておいた。


「ゼロ…?」

「ぅん?」

「何を隠したんだ?」

「え゛……」

「何か隠しただろ」

「いや、別に」


紙袋の手前に自分の荷物を置いて何もないという仕草をしてみせる、がそんなことでごまかせるルルーシュではないことくらいはっきりと分かっていた。

「…紅茶を用意してくるから、テーブルを出して置いてくれ」

「あ、ルルーシュ」

「休憩だ、カラフルな包みばかり見ていて疲れた」

そう言って出て行くルルーシュに、完全に見抜かれている、と額を押さえうずくまった。
思考回路が似ているのだ、こんな時にどうするかくらいは見通せて当然だ。

だが、いざ渡すとなると恥ずかしい。
紙袋から箱を取り出してそれを見つめてほうとため息をつく。


「ダージリンにした、葉が開くまで…なんだまだ出していなかったのか。」

「っ…そ、その…飽きるだろう」

「チョコレートか?まぁ、最終的には溶かしてホットチョコレートにでもするさ。」

自分で食べるだけましだとおもってくれ、とばかりの言い草でルルーシュは床の上に折りたたみ式のテーブルを引っ張り出した。

「それに、ゼロが作ってくれたなら、ここにあるどんなチョコレートより価値があると思うぞ」

「……気障、たらし」

「根元はお前と一緒だ。」

確信した上で言っていたのだろうルルーシュにゼロは顔を真っ赤にしたままようやく包みを差し出した。
そして、代わりに紅茶のポットを引き寄せると揃いのティカップにゆっくりと注ぐ。

「…オペラか。難しかっただろう」

「よくいう、お前だって作れるだろう」

「流石にレシピをメモしておかなければ無理だけどな」

ちょうどいいサイズに切り分けられているケーキを皿に乗せて、満足げに笑う。
そんなルルーシュに顔を真っ赤にしていたゼロだったが、ふと気づいたように顔を上げると手を伸ばし、ルルーシュの手を取った。

「ここ、クリームが」

「え…ほぅゎあっ!」

ルルーシュが素っ頓狂な悲鳴を上げたことにゼロは首をかしげてルルーシュを見上げた。

「どうした?」

「お、おまっ…人の指を食べるな!手で取れ!」

「え…あ…」

ほとんど無意識のように唇を寄せたゼロもルルーシュに釣られるように真っ赤になる。

「わ、悪い…」

「いや…そ、それより食べるか」

「あ、ああ!」

そうは言っても感想は気になるもので、ゼロはルルーシュが口へ運ぶのをドギマギとしながら見つめていた。

「…うん、やっぱり美味しい。進路希望表にパティシエとでも書いたらどうだ?」

「お前がそう言ってくれると自信がつくよ。」

さっきの空気とは一変して和やかな空気が流れる。



他人のようで他人ではない、自分のようで自分ではないそんな関係。

「ルルーシュ、ハッピーバレンタイン」

「ああハッピーバレンタイン。ゼロ」


そんな二人に今年も幸あれ!!
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