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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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愛されルルなお話。
朝比奈は出てくるけどあさるるとはちょっと違いますw

るるというか…ゼロですね



 

にゃんにゃん  なぁお ナーゴ 

作戦前に最終確認をするお決まりの定位置に猫が集まり、井戸端会議をしていた。
いや、よく見ると猫だけではない。
どういう取り合わせなのか、犬も鳥も、どこから来たのかイタチまでいる。

「あ、また増えた・・・」

今度は蛇だ。

不思議なことに奇妙な取り合わせのその集団は、にゃごにゃごワンワンギャァギャアと何かを話し合っているかのように顔を突き合わせて騒いでいた。


まぁ、猫だって井戸端会議をするぐらいだ、犬や鳥やゼロが混ざっていても不思議じゃないだろう。

そう思って通り過ぎようとした朝比奈はあわてて足を止めて振り返り目を見開いた。

猫、犬、鳥、イタチ、蛇・・・で、ゼロ。


「ゼロ?ちょっと何やってのさ!!」

「にゃぁ?」

 

不覚にも、かわいいと思ってしまった自分を朝比奈は殴りたくなった。
仮面の男だ、いつの特撮だと言わんばかりのマントの不審人物だ。
おまけに藤堂を自分の下におくというとんでもなく無礼なやつなのだ、可愛いわけがあるはずない!

だが、そんな考えは見透かされたのか、大人しかった動物たちが急に動き出し、足に犬が噛みつくわ飛びついてきた猫が引っ掻くわおまけにカラスにつつかれる。

「こ、こら!お前たちどうしたんだ!朝比奈は団員だ!」

「ちょっ!!ゼロ!何とかしてよ、これゼロのペットでしょ?!」

べりっと剥がして投げれば猫たちは見事な着地を見せて再び飛びかかる。

「やめろ、どうしたんだ!こっちへ来い!!」

ゼロがそう怒鳴れば不承不承、渋々といった具合に朝比奈から離れ、一斉にゼロの周りを取り囲む。

「まったく、どうしたんだお前たち。いつもはそんなことしないだろう。」

撫でられて各々満足そうな表情を見せる獣たちとは打って変わって、朝比奈はひりひりと痛む頬を仏頂面でさすっていた。

「まったく、ペットを連れ込むなんて。」

「あいにく、ペットではない。このあたりに住んでいる連中だ。開発だなんだで人間よりも住むところが厳しいんだ。なぁ?」

ゼロの言葉にそうだと言わんばかりに一斉に甘い鳴き声が響く。

「にゃぁ、にゃにゃー、んぁ、ちょっ、くすぐったいだろうっ」

仮面の男がにゃぁにゃあ言っていることに疑問を感じないわけではないが、それよりも朝比奈はいつも真黒な手袋でおおわれている手がさらされていることの方に驚いた。
その手の白いことといったら。
同僚の千葉よりも細く華奢な手をしている。


「ねぇ、手袋はどうしたのさ」

「ん?ああ、手袋越しでは嫌だと言われてな。」

「嫌だって、誰に?」

「彼らだが・・・?」


そう言ってゼロが顔を向ける方へ朝比奈も顔を向けてみればやはりいるのは獣ばかり。
というか、思いっきり敵意全開で睨まれているのは気のせいだろうか。


「彼らって・・・そんな話したみたいに言われても」

「みたいに、というか・・・普通話せるだろう?」

 


「・・・・・・あたま、大丈夫?」

ムっとしたのかゼロの気配が苛立ったものに変わり、朝比奈はまずい、と体をこわばらせた。
いや、ゼロは問題ない。
イラついたとしてもそれだけだ。
だが・・・

「なんだ、朝比奈は話せないのか?」

「いや、普通は話せないかなぁーって、ちょっやめろー!!」

朝比奈の言葉が終わるよりも先にカラスや鳩が飛びかかる方が早かった。

「こら、どうしたんだ!今日はおかしいぞお前たち!!」

ゼロが呼びもどすとやはり渋々戻るが黒光りする嘴がやけに恐ろしい。


動物の気持ちなんて、これまで少しも分りはしなかったが今ならわかる


『ゼロをバカにしたら狩るぞクソ野郎』

確実にこう言っている。


「まったく、言葉が分からないからと言って突かなくてもいいだろう。朝比奈、お前も動物だからと言って馬鹿にするからだぞ」

「あ、あぁ・・・悪かったよ」


『ケッ、わかりゃぁいいんだよ。』

というのはおそらく幻聴ではない。
間違いなくここでゼロに何か口答えすれば猫の鋭く光る爪が、犬のむき出しの牙が、鳥の鋭い嘴が、一斉に襲い掛かってくるに違いない。
ついでに今も足に巻きついている蛇は今も軽く締め付けてくれている。


「ん、ニャ? にゃにゃー?」

急にゼロが鳴いたかと思えば、おそらくはボス猫らしき猫と何やら話している。
というか、本当に話せるらしい。

それにしても、見慣れてくればニャァニャァなくゼロも可愛いというか・・・


「よかったな、朝比奈」

「へっ?!」

何が良かったのか、とゼロを見れば、ゼロの膝の上でさっきのボス猫が悠々と毛繕いをしている。

「これも何かの縁だからとお前も井戸端会議に混ぜてくれるらしいぞ。こいつは気難しいから普通は猫でもなかなか群れに入れてくれないんだが」


うん、ゼロ・・・きっとそれ違う。
俺、多分狙われてるよ、そのボス猫に。
周りから突き刺さる猫たちの視線が痛いよ。


「よかったな、朝比奈」

駄目押しのようにもう一度言われ、朝比奈はひきつったように笑みを浮かべる。
『文句でもあるか、ぁあ゛?』といわんばかりに“なーお”と野太い声で無くドラ猫に、朝比奈は地味な身の危険を感じていた。

 

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