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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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ちなみにこれで元の下書きの7行目程度。
前のが省きすぎだった・・・。

というわけで前のより長くなる予定です。

最初に見た時、そこが戦場であるにもかかわらず「ずいぶんと綺麗になった」などと、呑気なことが脳裏をよぎった。
もし、銃弾が壁を掠めなければそんなことを口にしていたかもしれない。

かつては皇女、いや今もであるが・・・、そんな彼女を連れて逃げ込んだ先はかつての地下鉄の一つだった。
今にも崩れ落ちそうなそこではあるが入り組んだ地下鉄構内は熟知したものでなければ追うこともかなわず、やがて喧騒は遠のいた。

首にしっかと腕をまわししがみついているルルーシュをベンチに座らせる。
携帯している固形燃料を取り出し、明かりを灯せば暗闇の中にルルーシュの姿が浮かんだ。

「死んだと・・・聞いていた」

「・・・はい」

「生きて、いたんだな」

「はい」

何かを噛みしめるように俯き、今にも断罪される罪人のように俯くルルーシュを、藤堂は再び抱きしめた。

「よかった・・・」

「・・・よか、った?」

「ああ・・・よかった。生きていてくれて。」

強く抱きしめれば折れてしまいそうなほど細い体を抱きしめる。

「良かったって・・・あの戦争は」

「君の、君たちのせいではない。不甲斐ないおれたちが、大人が悪いんだ。守れなくて、済まなかった。」


殺されてもかまわない。
そう思っていた。

ルルーシュにとっての日本は、今や土地でもなく人でもなくテロリストやレジスタンスでもなく・・・藤堂そのものであったから。
親友であったスザクよりも、藤堂はルルーシュにとっての日本だった。

あの頃、冷たくルルーシュやナナリーをあからさまに厄介者扱いしていた大人たちの中で、藤堂だけは冷たく刺すような目を向けなかった。
軍人であるにもかかわらず、手を差し伸べてくれた。

確かに怒られたこともあった、だがそれは理不尽なものではない。
一人で抱え込み、無茶をしていたルルーシュを心配してのものだった。
それがわかっていたからこそ、ルルーシュは藤堂に惹かれた。


「だが、何故あんなところに・・・」

ギクリ、とルルーシュは身をこわばらせる。
そう・・・藤堂は理不尽な怒りを向けたりはしない。
相手に非がない限り。

「あ、ええと・・・それは」

「百歩譲って、君があの場に用があったとして、どうして俺のところへ来た。その危険がわからない君ではないだろう!」

どうやら説教モードのスイッチが入ってしまったらしい。
始まると長いのだ。

だが、その叱る声音さえなつかしい、とルルーシュはばつの悪い表情を浮かべながらもくすぐったさを覚えていた。

 

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