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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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どーんっと、
今日は行ける限りアップしたいと思います!
とりあえずシーンは飛び飛びですが、まぁ笑って許して下さい。

あと、このルルはギアスを持ってません(遅いって)









主義思想、日本人ブリタニア人関係なく弱い者の味方。
それに、時折アジトの2階から赤ん坊の泣き声が聞こえてくる以外、黒の騎士団は普通のレジスタンスとさほど変わりなかった。
レジスタンスというよりは、戦争屋と言った方が正しいか。
キョウトからの支援を受ける以外にも、時折ゼロは「仕事だ」と言って赤子を抱きかかえて表へと出かけることがあった。
そのたびに残高が桁違いに増えるため、ゼロが表でどんな仕事をしているのか扇が首をかしげる事もたびたびの事だった。

そして夜も9時を過ぎれば全員帰宅を義務付けられているずいぶんと規則正しいレジスタンスである。
どこのリーマンだ、企業戦士だ、という話だ。


だが、流石に作戦のある時は夜の9時を回ることも深夜を過ぎることもある。
・・・いや、作戦そのものは9時前には切り上げられるように、ゼロは巧妙に緻密に作戦を立てていた。
それら全てが愛娘の為だというのだからすごいものである。

というか子持ちのレジスタンスリーダーというのもかなり珍しいだろう(しかも赤ん坊。)



その日の作戦を終え、大方の団員が解散するのを見送りルルーシュは2階へ上がろうとした。

「ぁ、あの!!」

「ん・・・?なんだ、カレンか。どうした。」

「その・・・、母の件、ありがとうございました。病院とか・・・」

呼び止められたルルーシュはそんなことか、と嘆息する。
カレンの母は確かに心が弱かった。
だが、それほどまでにボロボロになってでも、カレンのそばにいようとした気持ちは分からなくもないのだ。

「大したことではない。」

「で、でも!ありがとうございます・・・。それで、お願いが・・・」

ひどく言いづらそうに口ごもるカレンに何だろうか、とルルーシュは階段を降り、カレンの前に立った。

「今夜一晩でいいんです!このトレーラーにおいてください!」

急にがばっ、と頭を下げたかと思えば口から飛び出した言葉にルルーシュはしばらく沈黙したのち、「・・・は?」と少々間抜けな声を上げた。


「その・・・義理の母と母のことで揉めて、家を飛び出してしまって。明日学校で寮の手続きをするので、その今夜だけ・・・」

ルルーシュは「(そういえば)」とクラブハウスで暮らしていたころのことを思い出していた。
ミレイにだけは事情を説明し、学校をやめて本国に帰ったことにしているが、カレンは同じクラスの生徒だった。
病弱で目立つこともなく(今思えば、レジスタンスの活動をしていることがばれないようにしていたのだろうが)シュタットフェルト家のご令嬢で通っていたカレン。
実母が日本人であったことを思えば、いろいろと家庭事情も複雑なのだろう。

それに作戦があったため今日はもう12時を過ぎている。
都合が悪いとはいえ、他の借り宿を使わせるにも距離があるし、時間が時間だ。
いくらカレンとはいえ女の子なのである、追い出すのも気が引ける。

沈黙を拒否と受け取ったのか、カレンは困ったように「駄目ですよね」とうつむいた。


「いや、一晩なら構わない。それに学校の寮では自由も効かないだろう。このトレーラーというわけにはいかないが、格納庫のそばにだれも使用していない部屋がある、明日からそこを使うといい。」

「いっいえ!そんな!!」

「実質、エースパイロットである君がいざという時に出てこれなければこちらとしても困るからな。言ってもらえてよかったよ。」

「す、すみません。」

心底肩身が狭そうに謝るカレンにルルーシュは苦笑して再び階段を上り始めた。
今は資材置き場となっている部屋が元はもう一つのベッドルームだ。
少々手狭ではあるがそこを使ってもらうよりほかない。

「カレン、上がってくるといい。」

「えっ?!あの2階は」

「ベッドルームもシャワーも上だ。非常時だ、上がってくることを許可する。」

カレンは驚いたように目を丸くしながらも、恐る恐る階段に足を掛け「おじゃまします」なんて小さく呟きながら上がり始めた。

「この部屋の荷物をある程度廊下に出して、すまないがベッドのスペースの確保だけで構わないか?」

「それで充分です!っていうか私がやります、ゼロにそんなこと!」

「もう夜も遅い。明日学校へ行くなら二人で済ませてさっさと寝る方がいいだろう。」

手袋をはずし荷物を動かし始める。
白く細い指に一瞬見とれ、我に返るとあわててカレンも荷物を運び始めた。


「あの、ゼロ・・・」

「なんだ・・・?」

「お子さんはいつお生まれに・・・?」

「そろそろ・・・7か月だな。」

「奥さまは・・・」

ビシィッと音がしたんじゃないかと思うほどにゼロが勢いよく固まった。
その仕草にカレンはあっけにとられ、そしてあわてて「申し訳ありませんっ!」と頭を下げる。
もちろん、この数秒にも満たない時間に多大なる誤解が生まれたのは言うまでもない。


「・・・妻は、いない」


乾いた声に、やはり聞いてはいけなかったのだとカレンはうなだれる。
一方、ルルーシュはというと潰しているとはいえ、子供が生れて少しは大きくなったはずの胸のことを思いながら、聞こえないほど小さなため息をついた。

ルル:「(そりゃ・・・カレンに比べたら・・・カレンが大きすぎるんだっ)」


カレ:「(きっと・・・奥さまが亡くなられてゼロに・・・あー、聞かなきゃよかったなぁ)」


そして、多大なる誤解は継続中である。



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