★ 月下に咲いた

これ、ホントは無印で終わる予定だったんですが…無駄にR2につなげたくなりました。
ので、ねつ造計画中。
でもいったんは終わらせますよ～。

あとは派生としてちまちま、また書き初めてみたいと思います

捨てた命なんて言わないで。
生きる理由ならいくらでも作ってみせるから。
奇跡の重みにつぶされないで。
貴方がどれだけ力を尽くしたか、知っているのは私だけじゃない。
あなたの傍にずっといた四聖剣だって知っている。

だから、あなたの生きる理由を作るから・・・諦めないでください。





「甘えるなっ！お前は責任を取らなければならない、奇跡の責任を！」

「責任・・・だと？」

「エリア１１がほかのエリアに比べて抵抗運動が激しいのは、日本が余力を残したまま日本が降伏したからだ。」

死の淵にいるあなたを呼び続ける。
だからどうか応えてください。

「あがけ！藤堂！最後までみっともなくあがいて見せろ！捨てていい命など、どこにもない！私がお前の魅せた奇跡を正夢にしてやろう！」

くっ、と藤堂が小さく笑い口元に弧が描かれた。

「正夢、か・・・いいだろう。この名が擦り切れその意味さえ持たなくなるまで、あがいて見せよう。」

その答えに、ルルーシュは仮面の下で、ほっと小さく息をついた。
そうして無頼の操縦かんを握ると無頼の向きを反転させ、藤堂に背を向けるとコックピットを開いた。
まさかゼロが下りてくると思わなかったのだろう、藤堂は意外だというように仮面の男をしげしげと眺めた。
ルルーシュはというと藤堂のそんな視線は無視して後ろに回り込み拘束を解く。

「私の無頼に乗れ、お前の専用機のところまで連れて行く」

「承知した」




＊＊＊＊＊


憎むべき白兜の操縦者は幼馴染だった。
ルルーシュに訪れたのは絶望よりも諦め。

所詮、ナナリーや自分のことなど、スザクにはどうでもよかったのだ。
この分だとおそらく続いて入手された情報、ユーフェミアの専任騎士就任の件も受けるだろう。

ルルーシュは無頼の中で一人笑い声をあげていた。
なぜあの男がナナリーを守ってくれるなどと信じていたのだろうか・・・。

こうなったら、ナナリーはキョウトに預けるしかない。
あの学園はもう危険だ。
明日にでも調査の手が伸びるだろう。

守り続けてくれたミレイには申し訳ないが。

これ以上、ナナリーをスザクの傍に置いておくわけにはいかない。
ユーフェミアの頼みで学園に入ったスザクをミレイが追い出すなどということはできないのだから。

「ゼロ、降りて来てくれ」

「・・・なんだ？」

「藤堂さんたちが、ゼロに話があると」

「話は明日だ。」

ルルーシュはコックピットを開き無頼から下りる。
ずいぶん待ちかねていたのだろう、朝比奈が「待たせておいて明日ってどういうつもりさ？！」といきなり噛みついてきた。

「黒の騎士団の活動時間は終了している。私は部屋に戻る、藤堂も今日のところは休息を取った方がいいだろう。」

「活動時間だと・・・？ごっこ遊びではないのだぞ！！」

「嫌ならばいい、出ていけ。追われる身であるお前たちに、ほかに行き場があるならな。」

痛い事実を突き付けられ、四聖剣は口ごもる。
実際今出て行ったところで、いつまでも逃げ続けられるわけもなく、日本解放戦線もない今は行き場もない。

「くっ・・・」

「やめろ千葉、朝比奈。」

「そうだぜ、中佐に休息が必要なのは事実だしな。」

「左様、寝床を提供してもらえるだけ、ありがたいというものだ。」

「でも・・・あっ、ちょ！まだ話は！！」

納得しないままに背を向けて格納庫を後にしたゼロに朝比奈がわめこうとする。

「どうなっているんだ貴様らのリーダーは！！」

それにより千葉も怒りが再燃したのだろう。
ゼロが立ち去ったためにその怒りを向けられた扇はハハ、とから笑いを洩らす。

「いや、まぁ・・・、ゼロにもゼロなりに事情が」


その後、扇から活動時間が９時までであることとその理由がゼロの娘のためであるということを聞かされ、千葉と朝比奈がさらに怒鳴ったのは言うまでもない。