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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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いやはや・・・
藤堂さんの鉄の理性を試すためだけの話な気がします・・・。
いや、実際そうなのかもしれませんが。

ちなみにちゅーもルルーシュからの1回しかまだありません(藤堂の意識なし)

この先あるかどうかも不明です。

とりあえずまーそんな感じで


軍、いや・・・今は自衛隊と呼ばれるその場所へ呼び出されたのはつい数日前のことだというのに、自宅の布団が酷く懐かしい気がしていた。
その数日間はスザクが何かと様子を見に来ていたらしいが、夜は流石にルルーシュ一人だったのだろう。
ルルーシュは藤堂にぴったりと身を寄せるようにして眠っていた。

子供特有の甘いにおいがする。

藤堂はまだ少し涙の後の残る目元に触れて抱き寄せた。
本当に藤堂はルルーシュが本国へ戻るという答えを出さなくて安心していたのだ。
ルルーシュは軽く身をよじると落ち着く場所を見つけたのかまた静かに寝息を立て始める。


「(そういえば・・・あれは本気なんだろうか・・・)」

思い出すのは七夕の夜。

『私が、大人になれたら・・・鏡志朗さんの花嫁になりたいです』

あの時は、ルルーシュが本当に大人になれないのではなかろうかと、未来をあきらめた言葉が恐ろしくて
『待っている』としか答えることが出来なかった。
もし本気ならば自分はいくらでも待てる。
一番恐ろしいのは時間だ・・・。

ルルーシュの時間はまだ始まったばかりだ、これから先ルルーシュはコレまでよりも多くの人に会うだろう。
己が、己だけがルルーシュの世界で居られるのは、一体いつまでなのだろうか。


*****

「それじゃぁ、ルルーシュ。元気にしているんだよ。会いには来られないけど、手紙を書くから」

「はい、オデュッセウス義母兄さまも元気で。」

ハグと頬へのキスはブリタニアでは親しい間柄の一般的な挨拶だ、オデュッセウスは腰を上げるとニコニコ笑いながら「シュナイゼルたちへ良い土産話ができたよ」と笑っていた。
確実に自慢する気である。
悪気が無いのでたちが悪い。

「藤堂中佐、ルルーシュをよろしく頼んだよ。この子に今必要なのは君のような人間だ。」

「かしこまりました」

「ああ、固くならないでくれ。そのうち君は私の弟になるんだろう?あれ、君のほうが年上だから兄なのかな?」

「いや、あのそういうことをあまり大声では。」

事情を知っている間では問題ないが、傍から見たら・・・あまり考えたくは無い。
良く取られたとしても、ルルーシュはおそらく自分の娘といったところだろう・・・。

「あはは、それもそうだね。じゃあ、ルルーシュ。君に神の加護があるよう」

空港の人ごみに紛れ、プライヴェートの通路へ姿を消す彼らを見送り、藤堂はほっと一息ついた。

「展望室から、飛行機を見送るか?」

「いえ、大丈夫です。帰りましょう、藤堂さん。」

ルルーシュに促され藤堂は頷き歩きだす。


空港からの帰り道、この道を二人で通るのは2度目だった。
1度目はルルーシュが日本へ来た日。
相変わらず車の中は静かだったが、あの日のように重い沈黙ではなく穏やかな空気が流れていた。

「随分時間があるな、どこかへ寄っていくか?」

「・・・じゃあ、またあの公園へ・・・。」

「承知した」

藤堂はハンドルを切り横道へ入った。
少しばかり傾斜の上り坂の道を走らせ、アクセルを緩める。
正面にあるのはルルーシュの記憶にもある、あの公園へと通じる階段だった。
シートベルトをはずし車を降りた。
その先で待っている藤堂に駆け寄ると、あの日と同じように手を差し出される。
違うのはルルーシュがその手を取ったこと。
ルルーシュの歩みに合わせて藤堂はゆっくりと階段を上る。
疲れないようにペースを調節しながらの歩みであったため、以前よりも随分と時間はかけたがその分息切れも少なく上りきった。

公園にはもう桜は無いが、その代わりに夏らしく青々と茂った樹木が涼しげな木陰を作っていた。
もうそろそろ夏も終わりだが、まだまだ暑い。
藤堂は木陰にあるベンチへルルーシュを連れて行き座らせた。

「何か飲み物を買ってこようか」

「いいえ、ここに居るだけで風がとても気持ちいいです。」

ルルーシュの言葉通り、風の具合はよかった。
だが、熱中症になる可能性もある。
藤堂はすぐ傍の自販機へ足を向け、今度はスポーツ飲料を持ってルルーシュの傍へ戻った

「飲んでおきなさい。」

「ありがとうございます」

ルルーシュは少し肩をすくめ、ペットボトルの蓋を開けるとコクコクとのどを鳴らして液体をのどの奥へと流し込んだ。
やはりのどは渇いていたのだろう。

「はい、藤堂さんも。」

「ああ」

ペットボトルを受け取り一口含む。
喉へと流れ込む冷たい液体の感触が心地よかった。

さわさわと木の葉の揺れる音がする。
ルルーシュは隣へ座る藤堂の体にこてんと寄りかかった。
熱いことには違いないが、溶け合う熱は心地がよかった。

「藤堂さん、また・・・桜を見に来ましょう」

「ああ、そうだな。今度は花見をしに来よう。」

「じゃあ、私お弁当作りますね。もっとがんばって料理が上手になりますから」

「今でも十分上手いと思うが」

「もっとがんばりたいんです。それで、来年も再来年も・・・ずっと一緒に藤堂さんと居たいんです」

未来をあきらめていた子供が未来を口にする。
それは何よりも嬉しかった。
それが自分との未来であるから尚のこと。

「ああ、秋にはどこか、紅葉の綺麗な場所へ行こう。冬は、そうだな・・・どこかへ泊まりに行くか。それで、来年の春には花見に来よう」

寄りかかるルルーシュの髪に口付けを落とす。
ルルーシュはくすぐったそうに笑いながら、遠い未来を見るように目を細めた。
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