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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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あけましておめでとうございます。
こんなところでなんですが、本年もよろしくお願いします。

新年早々薄暗い話でなんですが、最後は幸せになる予定なので、お付き合いくださいませw


で、この話は3.5な感じです。
すっごい短いです。






初めて誰かを受け入れる体は悲鳴をあげていた。
嬌声というよりは悲鳴だっただろう。
ヒィンとか細く子犬のようにルルーシュが啼く度、藤堂はやさしく頬を撫でて「大丈夫か?」と声をかける。
答えることはできず、頷くばかりが精一杯で、快楽よりも痛みばかりが体をむしばむ。
けれど、それよりも喜びのほうが上回った。

何度も何度も名前を呼んで、髪をなでる汗ばんだが手が心地よくて、重なり合う場所から溶けあう熱が一つになっているのだと教えてくれた。


***


物心ついたころには、愛した人とは決して一緒にはなれないのだと知っていたからこそ、抱きしめる腕が愛した人のものだと思うと本当に泣きだしてしまうほど、幸せだった。

本当に泣いてしまったルルーシュに藤堂が本気で焦ったのはまた別の話だ。

泣き笑いで藤堂にしがみついて、何度も何度もその名を呼ぶ。
藤堂はやや困った顔をして、しがみつくルルーシュの髪を撫でてルルーシュの名を呼び返す。

 

あぁ、こんなに幸せなことはないだろう。
6年も想い続けた人の腕に抱かれ、名前を呼んでもらえた。
これでもう、思い残すことは何もない。
あの小さな箱庭の中で、静かに生きていける。

 

「ここまででいいです。」

「歩けるか・・・?」

「ええ、それに・・・これ以上は」

まだ日も昇りきらぬ時間だが、ゲットーの外というそれだけで、藤堂にとっては命にかかわる危険につながる。

「・・・すまないな」

「いえ・・・それじゃあ、気をつけて」

「ああ、君も」


別れは短い言葉で。
再会の約束はない、それでいいのだ。
期待をもってしまえばより一層苦しくなる。

「さようなら」

朝もやの中、遠のく背中を見送りルルーシュはほんの少しぬくもりの残っている自分の体を抱きしめた。

 

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