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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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元ネタはFF8
ママ先生っていう響きが大好きです、それ以外にパロったところってないけどねww
FF8途中で放棄しちゃったからかぶってるのかどうかもわからない。

【設定】
ルルは孤児院の先生 通称「ママ先生」←これを言わせたいがためのネタ
戦争で孤児院だった教会が焼け落ち、孤児たちと生き別れた。
やたら戦争を繰り返す工程を止めるべく市民蜂起、市民革命を起こす。







悪魔と呼ばれたシスターがいた。
彼女の何が悪かったというわけではない。
ただ彼女は必至なだけだった。

その小さな両手で掬えるのは、自分にとって大切な小さな箱庭のような世界だけだったから。
それを守るために一生懸命だっただけなのだ。


彼女はシスターという身分でありながら、民衆を扇動し革命を起こした。
民衆の先頭に立ち剣を持つシスターは、革命ののち、悪魔とののしられ牢へ閉じ込められた。


皇帝はいない、だがそのあとを継ぐ皇子は居る。

彼女の指示をその横で煽ぎ続けていた男は最期に彼女を裏切り皇子に言った。

「どうか我らをお救いください。我らはあのシスターを名乗る魔女にそそのかされるままに暴動を起こしたのです。悪いのはあの魔女です。」

皇帝になりたかった皇子にしてみれば、願ってもない話だ。
目障りだった父王は消え、これからは己の時代になる。
ただ一人、女の首を切るだけで民衆の支持も得られる。


ならばその女に犠牲となってもらおう。
皇子はそう判断し、国中に触れを出した。

自らの戴冠式ののち、民衆を惑わし扇動し先の皇帝を弑奉った女を魔女とし、火刑台にて火あぶりの刑に処す、と。


そしてこうも言った、さも彼女を憐れんでいるかのように。


神に仕える娘がこのような暴虐に出たのは悪魔に取りつかれたからだろう、悪魔を殺すには娘ごと火あぶりにするしかない。
彼女は刑に処せられることに寄って罪を清められ、神のもとへ行けるのだ、と。

民は新しく王となる青年に期待を寄せ、手のひらを返したように彼女を罵った。

彼女は牢の中、その声を聞き絶望するでなく嘆くでなく、もう自分は必要ではないのだな、と小さくほほえんだ。


++++++++++


家畜のように首に縄をかけられ火刑台の上へと引っ張られる。
長かった髪が、今は短く切られていた。

石を投げつけられ、罵倒され、それでも毅然と前を向いている彼女を憎々しげに睨みつける幾千の目。

「死んじまえ、悪魔!!」

「焼き殺せ!!」

「あんたが革命なんか起こすから、うちの亭主は死んだんだ!」

観衆の罵声を受けながら、彼女は目を閉じた。
欲しかったのは大事な子供たちが幸せに暮らせる世界。
まだ平和にはほど遠いが、彼らが生きていくだけの小さな世界は、きっと作れた。

だから後悔はしない。

「シスター、いや魔女ルルーシュ。何かいい残すことはあるか」

「…ございません。」


いや、後悔はあった。
願わくば、別れ別れになってしまった彼らにもう一度会いたかった…。
大好きだったと、愛していたと伝えたかった。

「火を放て!」

兵士の言葉に油を持った女と松明を掲げる男が近づいてくる。
これで終わりだ。
せめて最期はこの世界を目に焼き付けて逝こう。

群がる民衆、育った村とは比べ物にならないほど大きな街。
出来るなら山や野を見て逝きたかった。
せめてもの救いは、昔からいつまでたっても変わらない青空。

見ていると、これから死ぬなどとは思えないほど気持ちが穏やかになってくる。

油が足もとにある藁や組木に掛けられた。
そして女が離れていき、今度は男が近づいてくる。

「少しだけ、我慢してくれ」

なんだ、と思うと同時に手を焼かれた。
うめき声を上げまいと歯を食いしばる。

民衆はそれを見て、男がささやかながら魔女に復讐しているのだろうと思ったらしい。
苦しむルルーシュを見てざまぁみろとばかりに笑う。
その事に悪態をついたのはなぜかルルーシュに直接火を押し付けている男の方だった。


そして、ふいに腕が軽くなった。


それと同時に体がふわりと浮きあがる。


「死にたくなければ道を開けろ!!」

「なっ、貴様!皇帝陛下に逆らうのか!!」

「もとより従う謂れはない!」

松明の火を片手に衆人を脅しながら男は肩に彼女を担ぎ直すと駆け出した。

「どけ!!」

松明を振り回す男に観衆は悲鳴をあげて散っていく。

「お、追え!!魔女を逃がすな!」

その声に数人の兵士が槍を手に駆けてくる。

「お、おろせ!」

「そうはいかないよ。」

兵士の一人が兜の隙間からいたずらげに顔をのぞかせた。

「っ、まさか!」

「しっ、ばれるとまずい。」

「城門の外でコウセツが馬車を隠してる。このまま突っ切るから大人しくしててね、ママ先生」

にっこりと笑う青年の隣で先ほど油を運んできたらしい女、いや見知った少女もフードの下でにこりと笑った。

「っっバカ、何のために私が」

「バカは先生の方だ。そんなことしたって、俺たちは嬉しくなんかない」

自分を抱えている青年の背に顔を埋める。

「僕らは、ママ先生がいてくれる方が何倍もうれしいんだから」


***


来賓の席で肘をついていた新皇帝はおかしくてたまらないとばかりに反対の手で口元を隠し、肩を震わせていた。

「やれやれ、新しイケニエが必要になってしまった。これでいいんだろう?ロイド」

玉座の脇に控えていた男が皇帝に跪き頭を垂れる。

「わが望みをかなえていただき、恐悦至極」

「堅苦しいのは嫌いだ、楽にしていい。どうせ、誰もかれも魔女に気を取られて私など見向きもしないよ。」

「ま~ぁ、それはそぉでしょうねぇ~。」

「ふぅ、おもしろい余興だった。さて、民をなだめるためにも新しい悪魔を用意するとしようか。」

皇帝が腰を上げると同時に兵士たちがその周りを固め、強制的に道をあけさせる。




そして、この三日後、仕切り直しとばかりに魔女の側近であった男が、悪魔として処刑された。
その際、皇帝はこう宣言した。

先日処刑する筈であったシスターは、この男に取りついた悪魔に利用されていただけである。
よって、ヴァチカンは彼女を聖女と認め登録した。


男は最後まで叫び続けていた。
皇帝も、司教も魔女に操られているのだと。
だが、男に耳を貸す物は、誰一人としていなかった。

++++++++++



チビたちだったもの
キョウシロウ(藤堂)
コウセツ(卜部)
ショウゴ(朝比奈)
ナギサ(千葉)
ロイド(戦争前に伯爵家へ養子に)
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