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自分で適当に考えて書いてるお題なので、今後増えるかどうかもわかりません。
ちょっとシリアスな感じです。
::雪行灯::
(ロード設定?でもないけど、ナナリーいません。ぶっちゃけ書くのがめんd)
ふいにひやりとした風を感じて藤堂は目を覚ました。
部屋に薄明かりが差しこんでいる。
何事かと身を起してみると、障子が細く空いていて、そこから雪明りが差し込んでいた。
「ルルーシュ・・・?」
隣で寝ていたはずの小さな姿がない。
ルルーシュが寝ていたはずの場所に触れてみるとずいぶんと冷えていた。
トイレにでも行ったのだろうかと身を起こし障子をあける。
窓の向こうにあるのはいつもどおり、道場へ続く小さな内庭のはずだった。
いや、たしかにそれはいつも通りだった。
ただ、窓が細く空いて雪景色の中に探していた、小さな姿がそこにあったこと以外は。
「ルルーシュ!何をしている」
慌てて雪駄をつっかけて庭へ出る。
声が聞こえていないのか、ルルーシュはぼうっと呆けて空を見上げていた。
ぞっ、と背筋に寒気が走る。
そのまま白い肌が雪に溶け、黒い髪が闇に溶け・・・そのまま消えてしまいそうにさえ思えた。
よく見るとその足は素足のままだ。
慌てて抱き上げるとようやく藤堂に気づいたのか「ふぁっ」と声をあげて藤堂を振り返った。
「こんな恰好で出てきて、風邪をひくぞ!」
「と、藤堂さん」
まるで氷のように冷たい体を抱きしめて部屋の中へ戻る。
冷たさが移ってぞくりと背筋が震えた。
「こんな夜更けに何をしていたんだ」
「何って・・・ただ、雪が見たくて」
「雪が見たいなら部屋の中から見ればいいだろう。」
風呂の湯はもう冷えてしまっているだろう。
藤堂はルルーシュに布団をかぶせてその上から強く抱きしめた。
「会える・・・気がしたんです」
氷のようだった冷たい肌が少しずつ温度を取り戻していく。
だがそれでもまだ寒いのだと言うようにルルーシュの体は小刻みに震えている。
「母さまと、ナナリーに・・・」
ルルーシュの冷たい手が藤堂の浴衣の袂を掴んだ。
「ねえ・・・藤堂さん・・・さみしいんです。藤堂さんが、いてくれるのに」
「・・・ルルーシュ」
「なんでっ・・・僕だけっ、僕だけ独り」
一人ではないと教えてやりたくて、ルルーシュを強く抱きしめる。
そんなことで埋まる溝ではないとわかっていても、それ以外の方法を藤堂は知らなかった。
声をあげて泣くことを知らない子供を抱きしめて藤堂は音を吸い込むように降り続ける雪を見た。
どうか、この雪がこの子供の命までも吸い取ってしまうことがないよう祈りをこめて。
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福岡にオタク友達がいなくて偶に鬱々してます。
寂しいと死にはしませんが不貞寝します。
空を自由に飛びたいなぁなんて夢を持っています。
いつかパラグライダーかハンググライダーをする気でいます。
マイペース、ケセラセラを心情に頑張って生きています。