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もう1話で終わります。
ここで終わってもいいけど引っ張った上に締まらないってあれですしね。
ようやくの再会です
明け方前に目が覚めてしまうのはもう癖のようなもので、ルルーシュは目を覚ました時そこがどこか分からず困惑した。
じぶんの部屋ではないことに不安を覚え、傍にマリアの気配もなく不安が恐怖にかわる。
体を起こそうとして手に何か温もりを感じて目線を向ける。
思わず叫ばなかった自分をルルーシュは褒めたいと思った。
「(と・・・藤堂さん・・・?)」
どくどくと鼓動を立てる心臓に空いている方の手を当てて、ルルーシュは再び冷静にあたりを見回した。
医療の最新機器がそろっているそこは、最近ラクシャータが運んできた潜水艦のものだ。
そうして意識を失う前のことを思い出し、一つため息をつく。
バレてしまったのだろう・・・、自分のことが。
ゼロをしていると知って、なお手を握ってくれる・・・。
その優しさにルルーシュは泣きそうになった。
気配に気づいたのだろう、薄暗い医務室の中藤堂も目を覚ます。
そうして、ベッドの上に起き上がっているルルーシュを見つめ、パイプ椅子を蹴倒し立ち上がると、そのままの勢いでルルーシュを抱きしめた。
「藤堂さん・・・?」
「・・・すまない、ルルーシュ君」
すまない、と呻くように繰り返す藤堂の背に、ルルーシュも恐る恐る腕をまわした。
「謝る、必要なんてないんです・・・。全部おれが勝手にしたことだから・・・」
「それでも、俺は気づくべきだったっ・・・気づかなければ、いけなかったっ!」
「もう、いいんです・・・俺も、黙っててすみませんでした。」
藤堂のぬくもりが酷く愛おしくて、ルルーシュは藤堂の胸に顔をうずめる。
マリアを一人で育てると決めた時、藤堂と再会することは諦めていた。
その時の藤堂は、日本解放戦線の一員で・・・ハーフの子供がいるなどと知られるのは藤堂にとってマイナスにしかならないとわかっていたから。
だからいっそ会わないままでいようと決意した。
だが、このぬくもりのなんと心地いいことか。
背中にまわした手がすがるように藤堂の軍服を握りしめ、藤堂も離すまいとルルーシュを強く抱きしめた。
「ところで、藤堂さん・・・マリアは」
「あぁ・・・全員が交代で見てくれている。連れてくるか・・・?」
「・・・・・・お願いして、いいですか?」
あぁ、と一つうなずき藤堂が医務室を出ていく。
しばらくして、藤堂が戻ってきた時腕に抱かれているマリアは安心しきっているかのようにすやすやと寝息を立てていた。
この分なら、朝まで寝ているだろう。
「・・・やっぱり・・・父親って、必要なんですね。」
「・・・なぁ、ルルーシュ君」
藤堂はマリアを抱いたまま、また椅子に座るとルルーシュに目を向けた。
「一人で・・・よく、育ててくれた」
「藤堂さん・・・?」
「・・・苦労することが目に見えていて、よく生んでくれた・・・。」
「苦労だなんて・・・」
片腕にマリアを抱いたまま、藤堂の手がルルーシュへとのばされる。
さらりと髪をなでる感触が心地よくてルルーシュは目を細めた。
「まさか・・・俺の子を腕に抱く日が来ようとは、思いもしていなかった」
「・・・これまで、結婚とか」
「そんな話も昔はあったがな・・・軍人として生きる俺にはついていけないと言われた。」
そうなのか、とルルーシュはどこか苦い思いを感じながら頬に触れる手に自分の手を添えた。
「・・・ありがとう、ルルーシュ君。」
「・・・え?」
「この子を産んでくれて、ありがとう。」
その言葉にルルーシュはきょとんとして、けれどすぐ幸せそうな満面の笑みを浮かべた。
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女性
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夢を追い求めて旅をしてます
趣味:
妄想、寝ること、映画
自己紹介:
京都に実家、福岡に在住している学生さんです。
福岡にオタク友達がいなくて偶に鬱々してます。
寂しいと死にはしませんが不貞寝します。
空を自由に飛びたいなぁなんて夢を持っています。
いつかパラグライダーかハンググライダーをする気でいます。
マイペース、ケセラセラを心情に頑張って生きています。
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