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気分の赴くままに好き勝手書いていきます。 なのでいきなりジャンルが増えたり減ったり、当面はギ.ア.スを中心にお送りしていきます。
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分けようかと思ったんですが、ひとまとめにしちゃいました。
そんなわけでほんの少しばかし長いです。

尻切れっぽいですがこれにてもしもの世界は完結です。

番外編なおまけはありますのでそちらもお楽しみくださいませ。










「・・・それが、お前の答えか」

「(あぁ・・・これが、俺の最後の願いだ。ジェレミアは)」

「あぁ、首尾よくやってくれたさ。」

夢なのか、現実かゼロの前にはルルーシュにとってすべての始まりの鍵ともなった魔女が笑って立っていた。
崩壊した黄昏の中でゼロは、ルルーシュは空を見上げた。

「(卑怯だと、言われるかもしれない。)」

「今さらだろう?悪逆皇帝」

「(それもそうだな・・・。)」


ルルーシュは瞼をひと撫ぜして空を見上げた。


「(俺の記憶をすべての人から消してくれ。優しい世界を生きる人から・・・。)」

「本当に、いいんだな」

「(あぁ・・・、それに俺のことは、お前が覚えていてくれるだろう?キャンセラーを持つジェレミアも。)」

「まったく、自分勝手だな。」


Cの世界から、神根島からギアスの光があふれ出す。


「よかったな・・・お前の願いは、叶ったぞ」

「(・・・じゃあ、な。)」

「ああ・・・さようならだ。私の魔王」
 

*****


そんな夢を見た翌日、ミレイはルルーシュのことを忘れていた。
あれほどまでに突き刺すような視線を向けてきたにもかかわらず、ケロリとしたもので「あら、カレンどうしたの?」と来たものだ。
リヴァルも、ジノも・・・。

皇帝ルルーシュの存在は知っていても、それだけだ。

この、世界そのものからルルーシュの存在が奪われていた。


その理から外されているのは、かつてルルーシュにギアスを掛けられ、ジェレミアのキャンセラーを受けていない者。

「ギアス・・・?」


だが、そんなはずはない、ルルーシュは死んだのだ。
いや、ミレイはC.C.にルルーシュが別の世界で生きていると・・・。


「謝ることも、許してくれないの?」

「あいつといい、お前といい、物事を後ろ向きにしか考えられないのか」

「っ・・・C.C.!!あんた!」

まるで、何事もなかったかのように、C.C.はアッシュフォードの制服を着て、飄々としたそぶりで其処に立っていた。

「久しぶりだな」

「あんたは・・・」

「ああ、覚えているさ。私にギアスは効かないからな」

「何が起こったの?!どうして急に」

「あいつの最後の願いさ・・・Cの世界を通してあいつもこの世界をのぞくことができる。お前たちがいつまでも気に病んでいるのを見てな。」

「だからって・・・」

「あいつは、この世界を忘れたわけじゃない。だが、あいつは新しく、生きていく道を選んだ。この世界で生きるお前たちがそんな調子でどうする。」

C.C.はいらいらとしたようにカレンを見た。

「お前にはギアスが掛けられている、そのために忘れることができなかった。忘れられないことが、お前に与えられた罰だと受け入れて生きることだな。」

グリーンの髪をなびかせ、背を向けるC.C.の肩をカレンは咄嗟につかんだ。

「待って!あいつは・・・いま」

「・・・こことよく似た世界で、生きているよ。」

「あいつは、幸せなの?」


C.C.は答えなかった。
ただ唇の端を釣り上げ、カレンの手を外すとまるで気まぐれな猫のように、尻尾の代わりに髪を揺らして歩き出す。

「あ、いたいた!カレンさん!!」

「・・・リヴァル?」

「カレンさんさ、KMF使えるだろ?次のピザ作り頼んでいいかな?」

「私・・・でいいの?」

「いやー、やっぱうちの学校でKMFっていったらカレンさんだからさ。スザクもいないし・・・俺もできなくはないけどさ、やっぱりプロがやるべき仕事だろ」

ニッと笑いながらリヴァルはそう言ってカレンの手を引く。


カレンは、戸惑いがちに…小さく笑った。

*****


「ゼロ?」

ベッドの上で寝ているはずのゼロの姿が見えず、ルルーシュは部屋の中を見回した。
先ほどまで寝ていたせいだろう、ほんの少しの明かりがまぶしい。
よく見ると、カーテンを開けて月明かりを受けるゼロがそこに立っていた。


「ゼロ、どうした・・・また夢を見たのか?」

「・・・ああ」

ルルーシュも布団から出るとその隣に立つ。
月の色はあの魔女の瞳の色を思い出させる。

「ルルーシュ」

「・・・どうした?」

「笑ってたよ・・・」

細く、涙の筋がゼロの頬をなぞる。

「俺は・・・」

ルルーシュはゼロの涙をぬぐった。
前にもこんなことがあったな、と思いながら雫を払う。

「良かったな・・・」

「ああ・・・、少しだけ、軽くなった気がする。」



隣り合う瓜二つの影は、ただ黙って月を見上げる。
かの魔女の瞳の色と、同じ色をした月を。

そして、今日も世界の時間はやさしく流れていく。





END

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